• "予防接種"(/)
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  1. 長野県議会 2021-09-30
    令和 3年 9月定例会本会議-09月30日-04号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    令和 3年 9月定例会本会議-09月30日-04号令和 3年 9月定例会本会議 令和3年9月30日(木曜日)  出席議員(54名)   1 番 熊谷元尋    30 番 小池久長   2 番 望月義寿    31 番 酒井 茂   3 番 小林君男    32 番 堀内孝人   4 番 清水正康    33 番 石和 大   5 番 加藤康治    34 番 依田明善   6 番 川上信彦    35 番 山岸喜昭   7 番 山田英喜    36 番 小島康晴   8 番 大井岳夫    37 番 小林東一郎   9 番 丸茂岳人    38 番 毛利栄子   10 番 寺沢功希    39 番 和田明子   11 番 花岡賢一    40 番 諏訪光昭   12 番 池田 清    41 番 丸山栄一   14 番 山口典久    42 番 小池 清   15 番 小山仁志    43 番 宮本衡司   16 番 竹内正美    44 番 清沢英男   17 番 竹花美幸    45 番 垣内基良   18 番 宮下克彦    46 番 鈴木 清
      19 番 大畑俊隆    47 番 高村京子   20 番 共田武史    48 番 宮澤敏文   22 番 髙島陽子    49 番 西沢正隆   23 番 荒井武志    50 番 風間辰一   24 番 埋橋茂人    51 番 佐々木祥二   25 番 続木幹夫    52 番 向山公人   26 番 中川博司    53 番 平野成基   27 番 両角友成    54 番 本郷一彦   29 番 清水純子    55 番 萩原 清   56 番 服部宏昭    57 番 望月雄内  欠席議員(1名)   21 番 丸山大輔         ─────────────────── 説明のため出席した者   知事        阿部守一    林務部長      井出英治   副知事       関昇一郎    建設部長      田下昌志   危機管理部長    中村宏平    公営企業管理者   企画振興部長    伊藤一紀    企業局長事務取扱  小林 透   総務部長      玉井 直    財政課長      矢後雅司   県民文化部長    中坪成海    教育長       原山隆一   健康福祉部長    福田雄一    警察本部長     安田浩己   環境部長      猿田吉秀    監査委員      田口敏子   産業政策監兼産   業労働部長     林 宏行         ─────────────────── 職務のため出席した事務局職員   事務局長      小山 聡    議事課担当係長   矢島修治   議事課長      百瀬秀樹    議事課主査     水澤まゆみ   議事課企画幹兼   丸山俊樹    総務課課長補佐   川村亜由美   課長補佐              兼庶務係長                     総務課担当係長   青木武文                     総務課主事     古林祐輝         ───────────────────  令和3年9月30日(木曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑         午前10時開議 ○議長(宮本衡司 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、昨日に引き続き行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。  次に、丸山大輔議員から本日及び明日欠席する旨の届け出がありましたので、報告いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(宮本衡司 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  最初に、西沢正隆議員。       〔49番西沢正隆君登壇〕 ◆49番(西沢正隆 君)おはようございます。長野市・上水内郡区選出、自由民主党、西沢正隆でございます。  最初に、新型コロナウイルス対策についてお聞きいたします。  県内の新型コロナウイルス感染状況は、令和2年2月25日に初めて陽性者が確認され、はや1年7か月。本年8月、感染力が強いデルタ株による第5波によって県内の陽性者が急増し、1日で150人を超える陽性者が出たことから、医療非常事態宣言や命と暮らしを救う集中対策期間が発令され、県全体がレベル5となりました。現在、感染警戒レベルは、上田圏域のレベル4以外はレベル3以下となり、1日の陽性者が減少傾向になってきましたが、まだまだ予断を許さない状況にあります。  新型コロナウイルス収束の鍵はワクチン接種であると政府は明言し、本年2月より、医療従事者、65歳以上の方々から接種を開始。9月23日現在では、1回目接種率75.2%、2回目接種率60.0%と順調に県民の接種率が向上しています。今後も、12歳以上の方への2回目接種率を10月末までに80%以上とすることを目標としていますが、一日も早く希望者へのワクチン接種が終了し、新型コロナウイルス感染症が収束することを願うばかりであります。  今日までの県内の陽性者総数8,715人の対応や感染者対策に命がけで御尽力いただいた医療従事者の皆様、時短営業等に御協力いただいた飲食業の皆様、様々な感染症対策を実践していただいた全ての県民の皆さんに感謝を申し上げます。  新型コロナウイルスの陽性者が確認され、1年7か月、当初・補正予算、専決処分で、新型コロナウイルス対策費については全て承認してきました。本議会までどの程度予算を費やしてきたのか、また、来年度以降の長野県財政に影響はあるのか、総務部長にお聞きいたします。  新型コロナウイルス対策費には、多くの支援金、協力金、補助金交付など、県から支払いが発生する事業が多々あります。飲食店をはじめ、事業者には大変感謝される方が多いのですが、協力金等の支払いが早いことは誰もが望むところであります。長野県の協力金は、申請後、早くて2週間で支払われていると答弁がありました。4月の飲食店等への時短営業等の協力金申請の事務局は県が直接担っていましたが、第5波による時短営業等への協力金は、プロポーザル方式により選定された東部トップツアーズ伊那支店に委託されました。そこで、新型コロナウイルス拡大防止協力金事業を委託した効果について産業労働部長にお聞きします。  信州の安心なお店応援キャンペーン事業が実施され、飲食店等プレミアム付きクーポン券が販売されて、喜んで利用していただいています。しかし、この申請書が、Go To イート、県民支えあい信州割の観光クーポンより煩雑で、簡素化してほしいとの声が多々寄せられました。信州の地酒おトクーポンについても同様な要望が届きました。申請が煩雑過ぎてクーポンを販売しないという事業者もいるようであります。せっかくの支援事業でありますので、喜んで使っていただかなければ意味がありません。  知事の提案説明で、飲食店等に対する新型コロナウイルス拡大防止協力金については申請書類の簡素化等に取り組むと述べています。そこで、コロナ禍における全ての申請書について簡素化を図り、信州の地酒おトクーポンのようなクーポンを発行する場合は、事前に業界の代表者等と打合せをして、よりよい決済方法を決定して事業を推進することを提案しますが、御所見を産業労働部長にお聞きいたします。  政府の新型コロナ対策分科会尾身会長は、必ず第6波がやってくると明言いたしております。昨年11月から4か月で陽性者が2,000人急増したことから、県としても、11月直前の現在、第6波に備え、対策を講じているところであります。ここまでコロナ禍が長引くと、今までの経験が生かされた対策が講じられていくと思われます。  岐阜県の古田知事は、9月中に自宅療養者ゼロを掲げ、宿泊療養施設を1,566床に増やして臨時医療施設の設置を検討すると発表されました。長野県では、岐阜県のように病床は逼迫しておらず、現在自宅療養者は少人数ではありますが、今後、岐阜県同様第6波の到来により陽性者が増大する可能性があることから、最悪の状況を想定しておかなければなりません。また、一人暮らしの方が急変により死亡してしまうことや家族への感染リスクが高いことから、自宅療養には限界があると考えます。  そんな中、軽症者を受け入れる宿泊療養施設は、今後の感染拡大に備え、必要不可欠な施設であります。そこで、陽性者が減少傾向にある現在、県内6か所の宿泊療養施設が設置されていますが、いつまで維持していくのか、今後の見通しについて健康福祉部長にお聞きします。  陽性者を確認するには、必ずPCR検査等が必要であります。また、濃厚接触者や陽性の疑いのある方にはPCR検査を実施してきました。検査をしなければ陽性者が判明しないわけですから、できるだけ多くの検査を行い、陽性者を早期発見することは、感染症防止対策につながります。  そこで、県内の一日のPCR検査の最大検査数と、8月の専決処分予算で決定した抗原簡易キットを活用した陽性者の早期発見促進事業がどのように生かされてきているのか、健康福祉部長にお聞きいたします。  新型コロナウイルスの対応を行ってきた中で、県保健所保健師市町村保健師の連携強化が必要なことが明らかになったと県看護協会との懇談会で指摘されました。そこで、今回のコロナ禍での教訓を生かして、今後は県と市町村保健師は密に連携していくことが重要と考えますが、現状を踏まえ、御所見を健康福祉部長にお聞きいたします。  障害者に対してもワクチンの円滑な接種が実施されるためには、障害特性に応じた合理的配慮の提供が必要です。ワクチン接種が開始された当初、一部の市町村においては、接種予約や問合せの窓口の案内が電話番号のみであったため、県聴覚障害者協会では、ファクスやメールでの対応も可能とするよう改善を要望したと聞いています。そこで、今日までの多くの障害者がワクチン接種をした中で、特にコミュニケーションに配慮を要する聴覚並びに視覚障害者の接種に関して必要な配慮が実施されてきたのか、健康福祉部長にお聞きします。  今後、国よりワクチン接種証明書が発行され、社会経済活動が活性化されていきます。今日まで着々と国民に接種され、早くからワクチン接種を実施していた国の接種率を上回るほどのスピーディーな対応でありました。これは、政府がワクチンを用意し、県、市町村が独自の方法で接種を展開してきたたまものであります。接種率70%程度になると接種の伸び率が伸び悩むとのことですが、これを向上させるには、若い世代の接種にかかっています。国は、有名人を利用してのCM、ユーチューブによるスポットCM等ワクチン接種の啓発に努めています。  そこで、県内の若い世代の接種率は順調に向上しているのか。また、一定の割合で接種を希望しない方が存在することを踏まえ、県全体のワクチン接種はあとどのくらいで終了するのか。また、現在の接種希望者へのワクチン接種が終了した後のワクチン接種体制について健康福祉部長にお聞きします。  新型コロナウイルス感染症対策として、ロックダウン、都市封鎖について、国会をはじめ様々なところで議論が活発化されています。ロックダウン的なやり方が必要、法整備の検討を求めるという声が首長や専門家、国会議員から出されています。  知事は、知事会で、ロックダウン的な移動制限も含め法制度を本気で検討してほしいと発言され、それを受け、全国知事会の国に対する緊急提言において、最悪の状態も想定し、立法措置や制度運用の見直しなどに向けて議論を進めることが盛り込まれました。私も、今後の新型コロナウイルスの感染拡大や新たな疫病に対応すべくロックダウン的な法制度を検討していくことは必要と考えます。そこで、知事がロックダウン的な法制度の検討が必要とした御所見をお聞きいたします。       〔総務部長玉井直君登壇〕 ◎総務部長(玉井直 君)新型コロナウイルス感染症対策に費やした予算額と県財政への影響についての御質問でございます。  これまで、新型コロナウイルス感染症に対応するため、令和2年3月19日付の専決予算から本定例会で御審議いただいております9月補正予算案まで、総額で3,925億5,000万円余の予算を計上してきたところでございます。  これら予算の財源としまして、医療提供体制の確保等に活用可能な新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金のほか、暮らしや産業の下支え等に活用できる新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金など、国からの交付金を最大限活用したことなどから、これら事業による近々の県財政への影響は限定的という認識をしているところでございます。  一方で、今後、年度後半、また来年度に向けて、さらなる感染拡大の抑止に加え、社会経済活動の活性化に向けた取組が必要となることが想定されておりますので、国に対して一層の財政支援を求めながら必要な対策を講じてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔産業政策監兼産業労働部長林宏行君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(林宏行 君)私には2点御質問をいただきました。  まず、協力金事業を委託した効果についてでございます。  昨年5月の全県を対象とした新型コロナウイルス拡大防止協力金では、部局職員の総力で支給事務を行いましたが、申請が1万2,000件を超えたこともあり、受付の締切りから支給を終えるまでにおよそ3か月を要しました。このため、本年5月の時短要請からは、早期に支給ができるよう、県内に営業所を有し、審査や支給事務など業務実績のある機関に委託することとし、公募型プロポーザル方式により委託先を選定したところであります。  このたびの5波への対応については、協力金の申請件数が延べ1万6,000件に及ぶことから、委託先に体制の強化をお願いした上で、100人規模の人員と事務所の早期確保をいただくとともに、民間のノウハウを生かし、2回目の延長分からは、申請書類の簡素化や電子申請の導入など、省力化と支給の迅速化を図っていただいたところです。  なお、委託によるその他の効果として、短期間ではございますが、県内に100名規模の新たな就労先が生まれており、地域経済、雇用面でも一定の効果があったと考えております。  次に、コロナ禍における事業者支援のクーポン券についてでございます。  コロナ禍で落ち込んでいる消費を回復するためには、これまで国のGo To イートや県独自の信州の安心なお店クーポン、信州の地酒おトクーポンを実施しており、さらに、このたび、10月下旬から利用できる信州プレミアム食事券を準備しているところでございます。  お尋ねの信州の地酒おトクーポンにつきましては、制度設計に当たり、事前に小売酒販組合や酒造事業者などから御意見をお聞きし、より扱いやすい仕組みを検討してきたところであります。事業所の皆様に御負担いただく手続は、参加登録申請とクーポン券の換金申請のみとなっておりますが、資金繰り等の状況も考慮し、月2回の換金を可能とした上で、地酒であることを確認する書類等申請書類の簡素化など負担軽減に努めております。  今後とも、各種支援事業の実施に当たりましては、関係団体の御意見をお聞きしながら制度構築し、事業効果が上がるよう対応してまいる所存です。  以上でございます。       〔健康福祉部長福田雄一君登壇〕 ◎健康福祉部長(福田雄一 君)私には6点御質問を頂戴しております。  まず、宿泊療養施設の今後の見通しについてでございます。  現在、県では、軽症者等を受け入れる宿泊療養施設を6か所運用し、最大806人の受入れ体制を確保しているところでございますが、感染再拡大に備えまして、当面は宿泊療養施設6か所を維持し、療養体制に万全を期してまいる所存でございます。こうした宿泊療養施設をいつまで維持していくかにつきましては、今後の感染の状況やワクチン接種の進捗状況、治療薬の開発状況等を踏まえまして、県として適切に判断してまいります。  なお、今後、新型コロナウイルス感染症の法的位置づけが見直され、療養体制の国の方針が変更された場合には、宿泊療養施設の制度がそれに左右されることとなりますので、その点についても注視してまいります。  次に、県内の1日のPCR検査能力などについての御質問でございます。  1日のPCR検査の最大検査可能数につきましては、民間検査機関へ委託するものも含めて県が実施するもの、さらには、医療機関等が実施するもので約3,500件、これに民間検査機関や医療機関の抗原検査可能数を加えますと、合計で約1万件の検査能力を確保しております。さらに、感染拡大時の集中的な検査等を行うために、県外の事業者を含め15社の民間検査機関と委託契約を締結しており、これを加えるとさらに相当大きな数の検査が可能となっております。  なお、今回実施する抗原簡易キットによる検査につきましては、確定診断に用いるものではございませんので、この件数には含まれておりませんが、これらの検査体制と相まって、陽性者の早期発見に効果を上げていけるものと考えております。  次に、県保健所保健師市町村保健師の連携についての御指摘をいただきました。  今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大時には、市町村の保健師が交代で保健所の応援に入り、コールセンターでの相談業務や積極的疫学調査などの業務に多大の御支援を頂戴したところでございます。ただし、県と市町村保健師では、通常、公衆衛生における役割が異なることから、応援開始当初は、感染症業務の経験がない市町村保健師の皆様は戸惑うことが多く、日頃からの連携が必要であるとの声も聞かれたところでございます。  こうした有事の際にきちんと対応していくため、平常時に保健所管内で定期的に研修会を開催して業務に対する相互理解を深めるなど、ただいま御指摘を頂戴いたしましたとおり、県と市町村保健師の連携強化に努めてまいる所存でございます。  次に、ワクチン接種における聴覚及び視覚障害者への配慮についてでございます。  県では、ワクチン接種における障害者への配慮を求める厚生労働省からの通知を受けまして、県身体障害者福祉協会など当事者団体と意見交換を行った上で、本年5月に市町村に通知を行い、障害特性に配慮した情報提供や相談体制の確保、接種会場での分かりやすい情報掲示や案内の実施などを改めてお願いしたところでございます。
     県のワクチン相談窓口では、以前から聴覚や発音に障害のある方向けにファクシミリによる相談を受け付けるとともに、ワクチン接種について手話で説明する動画を県のホームページで公開しております。また、障害福祉サービスとしては、聴覚障害者は手話通訳者の同行や遠隔手話サービスを、視覚障害者はガイドヘルパーの同行を利用いただくことが可能となっております。  団体からは、障害者は、日頃通院しているかかりつけ医に相談してそこで接種を受ける方が多く、現時点で特に改善を求める声は寄せられていないと伺っておりますけれども、引き続き関係者と連携を取りながら、障害者が安心して接種を受けられるよう、体制整備と情報収集に努めてまいります。  次に、若い世代のワクチン接種率の推移についてでございます。  直近9月27日時点の若い世代の1回目のワクチン接種率の状況について申し上げますと、10代が35%、20代が55%、30代が53%となっております。それぞれ1か月前の数値と比較いたしますと、10代が2.5倍、20代、30代がそれぞれ2倍程度となっておりまして、今月に入り順調に接種が進んでいるものと考えております。若年層への接種の推進を図るため、広報の充実とともに、接種場所や日時など接種しやすい環境づくりに今後とも努めてまいります。  次に、県全体のワクチン接種の終了時期についての御質問でございます。  県全体の接種率の見込みでございますが、今週に入り、県全体の1回目接種率が75%を超えており、目標にしております10月末の2回目接種率80%に近づいております。11月上旬までには希望する全ての方が接種を完了できるよう努めているところでございます。  また、接種終了後の接種希望者への接種体制ということでございますけれども、現在実施しております接種は、今のところ令和4年2月28日までとされていることから、それまでの間は、接種券をお持ちで接種を希望する方への接種体制は整えておく必要があると考えております。  また、国におきましては、3回目の追加接種を実施する方向で現在具体的な検討をしております。その対応を含めまして、市町村と連携し、接種希望者への接種ができる体制整備をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)新型コロナ対策に関連して、私にはロックダウン的な法制度の検討が必要とした考え方という御質問をいただきました。  全国知事会議オンライン会議の場で、私からは2度ほど発言させていただいております。1度目は8月1日、国において、ロックダウン的な移動制限を含め、ぜひ法制度を本気で検討されたいという発言をさせていただいておりますが、これは、まさに夏休み、お盆を控えて感染拡大の兆候が出てきた状況もありましたので、何とかありとあらゆる措置を講じてこの感染拡大を食い止めることが必要だと、そのためには、今ある措置だけではなく、幅広く様々な手段を検討すべきだという観点で発言させていただいたところであります。これは、いろいろ議論があると思いますけれども、やはり緩い措置でだらだらと感染拡大期間が続くと暮らしにも経済にも大変大きな影響が出ますので、むしろ強力な措置で短期で抑えるということも検討すべきだというのが私の思いでございます。  それから、もう一回、8月20日にも改めて同様の発言をさせていただいております。そのときはもう少し踏み込んで具体的な話もさせていただいたわけでありますけれども、ロックダウン的措置ロックダウンというと、外出制限をかけて、外出したときには罰金ということが一般的に言われているところでありますが、あえてロックダウン的と申し上げているのは、それ以外にもいろいろ人流抑制の手段はあるのではないかということで申し上げています。  私からは、ロードプライシング的な措置ができないかとか、今も緊急事態宣言発令等に伴って高速道路の休日割引を停止されたりしていますが、例えば、緊急事態宣言が発令されている状況であれば、逆に高速道路料金を割増しして人流を抑制する。あるいは、これは利用される方には大変申し訳ないですが、不要不急の移動を抑えるという意味で、一時的に鉄道の運賃も値上げする。さらには、長距離列車は全席指定にして座席数を限定するといったようにいろいろと工夫の余地があるのではないかというふうに思っています。  都道府県をまたいだ移動を控えてくださいというお願いは緊急事態宣言が出されている間ずっと行われているわけですが、だんだん効果がなくなってきているというふうに思っています。こうした人流を止める上で、都道府県内のことは都道府県知事の責任でしっかり頑張らなければいけないと思いますが、国においては全国的な人の移動についてより踏み込んで検討していただきたいという趣旨で発言をしております。  特に、国にお願いするというのは、これは広域移動が関連するということもありますが、公共の福祉と人権や営業の自由との関係性をかなり踏み込んで検討しなければいけないというふうに思います。その場合、やはり法的な根拠というものが必要になってくる場合もありますので、法的な根拠、あるいは制度的な裏づけ、そうしたことをしっかり持った上で行うために、やはり国において検討を進めてもらいたいと、そういう意味で、ロックダウン的な移動制限を含む法制度を本気で検討していただきたいという発言をさせていただいているところでございます。  以上です。       〔49番西沢正隆君登壇〕 ◆49番(西沢正隆 君)新型コロナウイルス対策費についてはざっと約4,000億円ということで、これはやはり必要なお金であったと思います。波が上がったり下がったりするわけでございまして、やはりお金がなければ支援対策もできない、そういう状況であります。今後、我々も国への支援をしっかり求めていきますが、県としてもぜひ求めていっていただければと思うところでございます。  そして、クーポンの申請の仕方、決済方法など、私のところにいろいろな話が来ます。皆さんのところにもいろいろ話が来るかと思います。昨日、岸田総裁が自由民主党の新しい総裁として誕生いたしましたが、キーワードとして人の話を聞く力ということを言っています。実は私も、選挙で人の話をよく聞く、そういう議員になるんだということをずっと訴えてまいりました。  クーポンなどいろいろな事業をやるときには、その先には必ず県民の方がいらっしゃいます。その代表者として県民の皆さんのいろいろな意見をお聞きして、そしてよりよい事業を行っていくというのが県の支援策であると思います。よい支援策があっても、やりづらかったり、難しいのでやらないということであれば支援の意味がないと思います。先ほどの産業労働部長の答弁では、今度はしっかり連携してやっていければということでありましたので、申請方法をより簡素化して、県民の皆さんが分かりやすい申請方法を採用していただければと思うところでございます。  そして、今、知事からロックダウン的な法制度という説明がありました。非常に分かりやすかったわけでございます。県では限界があると、そういうことがよく言われています。やはり国でいろいろなことを決めてやっていかなければいけない。県でやっていくことは法令順守であり、法律を守っていかなければいけないのは当たり前でございます。  知事も、昨日、岸田総裁の誕生について、人の話をよく聞くということであるので、地方の声をしっかり聞いてほしいというコメントを出しておりました。国としては、国へ出てくる様々な要望をまとめて、最後には決断していかなければいけないわけでございます。県も議会も一緒になってよいことはしっかりと国に働きかけていくということが今後も重要であります。声を出し続けるということも重要でありますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。  次に、危機管理対策についてお聞きします。  今年も7月、8月豪雨により、諏訪、木曽地域をはじめ県内に大きな被害をもたらしました。犠牲になられた方には哀悼の意を表し、被災された皆様にはお見舞いを申し上げます。これだけ毎年大規模災害が起きると、様々な対策を考えておく必要があります。特に、今までは想定外であったことをこれからは想定内にし、最悪の事態を想定して危機管理体制を整えていくことが重要と考えます。  過去の大規模災害を振り返ってみると、衣食住に匹敵するくらいガソリン、石油等の燃料は必要不可欠であります。県内には、中央東線、中央西線の鉄路で70%、陸路で30%のガソリン等が搬入されてきます。災害発生時の試算でありますが、中央東線が不通の場合、1日当たりの消費量に匹敵する燃料が欠落し、中央西線が不通の場合、1日の消費量の50%が欠落します。また、陸路が不通の場合は、鉄道輸送の増便により対応が可能であります。それだけ鉄道による輸送が重要視されます。  令和元年東日本台風により中央東線が不通になり、民間ベースの取組により中央東線分を中央西線経由で燃料を確保することができました。本年8月豪雨により、中央西線が土砂崩れの影響で10日以上運休が続きました。それにより、東海道本線経由で中央東線から長野県へ石油輸送列車の代替の臨時列車が運行されました。また、山梨経由で陸路からも輸送されました。今回も、両線中、片方の運休であったので、乗り切ることができました。  令和元年11月定例会で、大規模災害で両線が不通、陸路も全面通行止めになった場合の燃料確保に対する緊急マニュアル策定について提案し、今後、国、県、関係事業者との情報共有、連携体制等について検討していくとの危機管理部長の答弁がありました。そこで、その検討結果を今回の中央西線が不通になったときにどのように生かし、対応されたのか。また、関東地域が災害で機能しないことを想定して、燃料確保を新潟県や北陸地域との連携も視野に入れていくことが必要と考えますが、その御所見を危機管理部長にお聞きします。  令和元年9月、国等または地方公共団体との間で、災害時の燃料供給協定を締結し、官公需適格組合の証明を受けている組合をはじめとする石油組合を対象として、災害時だけでなく、平時においても燃料供給が安定的に行われる環境を維持していくことの重要性に鑑み、当該協定を締結する石油組合及び当該協定に参加する中小石油販売業者に係る受注機会の増大に努めるとの基本方針が閣議決定されました。それを受けて、令和元年11月定例会で、令和元年東日本台風災害を教訓に、官公需適格組合である長野県石油組合に対し、平時においてもその受注機会を増大させる必要があると提案いたしました。  その後、長野県石油組合では、官公需カードシステムを多額の資金をかけて開発。その概要は、同組合が官公庁向けに発行した官公需カードを利用して組合員のガソリンスタンド、以下SS、にて給油。官公需カードの発行は、システム運用会社指定のカード発行会社で行い、SSでの売上げ処理はタブレットを利用して給油を行う。タブレットの売上げデータを基に、システム運用会社におけるシステムを利用して請求書発行や売り掛け管理、SSごとの給油実績を基にした仕入れ、支払いや買い掛け管理を同組合で行います。長崎県や神奈川県警では既に同システムが導入済みで、運用されています。  本年度からは、長野県警で、車両用燃料の購入について、昨年度まで行っていた警察署等の各警察機関による一般競争入札方式の契約から、全警察機関分を県警本部一括による官公需適格組合である長野県石油組合との一括随意契約により締結いたしました。この契約は、官公需適格組合を生かした画期的な契約であります。そこで、官公需適格組合である長野県石油組合と一括の随意契約を導入した経緯とその効果について、県警本部長にお聞きします。       〔危機管理部長中村宏平君登壇〕 ◎危機管理部長(中村宏平 君)燃料の確保について、今回の災害で中央西線が不通になったときの対応と今後の新潟県や北陸地域との連携についてお答えいたします。  本県は、内陸に位置し、燃料輸送の大半を鉄道に頼っていることから、大規模災害発生時の燃料供給体制の構築は極めて重要と考えております。  このため、県では、これまで、長野県石油商業組合と災害時応援協定を締結し、災害時に緊急車両や重要施設へ燃料を優先供給するための備蓄に対し財政支援を行ってまいりました。今回の8月の大雨では、中央西線の不通により燃料輸送が困難となりましたが、国、石油元売会社、JR貨物等、関係する皆様の調整により、中央東線への迂回輸送がなされたところでございます。今後、中央東線・西線の両線が利用できなくなった場合を想定し、新潟県や北陸地域との連携について石油商業組合や国など関係機関と検討してまいりたいと考えております。  今回の災害では、幸いにして県内への石油の供給が不足する事態は生じませんでしたが、不測の事態に備え、関係機関との円滑な連携のため、緊急対応マニュアルの早期作成を目指してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔警察本部長安田浩己君登壇〕 ◎警察本部長(安田浩己 君)私には、長野県石油協同組合との車両用燃料の随意契約について御質問をいただきました。  車両用燃料の購入につきましては、これまで、各警察署等ごとに一般競争入札を行い、業者と契約しておりましたが、本年度は、警察本部において一括して長野県石油協同組合と随意契約を締結いたしました。  この経緯についてでありますが、従来の契約手続では各警察署等が個別に事務を行う必要があるとともに、給油所が契約した業者に限定されてしまうなどの課題がありましたことから、これらの課題を解消するため、県下全域の多数の給油所で給油が可能となる相手方と警察本部で一括して契約することができないか検討を行ったところであります。その結果、契約の相手方として、加盟事業者の給油所が県下の給油所の約7割を占め、中小企業庁から官公需適格組合としての証明を受けている長野県石油協同組合が適切であると判断し、同組合と、地方自治法、同施行令及び財務規則に基づき随意契約を締結したものであります。  次に、長野県石油協同組合との一括契約における効果等についてでありますが、契約が警察本部と同組合とに一本化されたことにより、車両用燃料購入に関する契約事務が大幅に省力化されるとともに、同組合において官公需カードシステムを導入していただいたことにより、県警察の支払い事務が大幅に合理化されました。また、同組合から指定された給油所であればどこでも給油することが可能になり、日常における安定的な燃料供給につながっているものと考えております。契約締結から半年が経過いたしましたが、これまでトラブルもなく、順調に推移しているところでございます。  以上です。       〔49番西沢正隆君登壇〕 ◆49番(西沢正隆 君)減少傾向にあるSSではありますが、県予算で燃料を備蓄したり、県内417か所のSSに発電機が配備され、災害時には重要な役割を担う施設となります。また、県の大切な財源である軽油引取税を納めていただいております。そして、燃料は生活していく上で必要不可欠であります。今のところ県内全77市町村にSSは存在しますが、今後は、無医村のように無SS村が出てくる可能性があります。  県には、公共的な役割を担う県下810のSSを守っていく責務があると考えます。先ほどの県警本部長の答弁にありましたように、官公需適格組合である長野県石油組合と一括の随意契約をしたことによってメリットがあったということでありました。事務の効率化や安定供給、長野県全域のSSで給油することができるようになったという答弁でありました。  そこで、県警同様、知事部局の全車両の燃料購入について、官公需適格組合である長野県石油組合と随意契約を段階的に行うことを検討することを提案しますが、知事の御所見をお聞きします。  長野県石油組合では、県内の市町村ごとの燃料備蓄量を把握し、国、県、県警、市町村、銀行、大学等の県内42機関と災害協定を締結。令和元年東日本台風時には、協定による配送を7例実施しました。県内417か所のSSに自家発電設備を設置し、災害時に優先的に給油ができる緊急車両を4,500台指定し、把握。このように、今日まで積極的に危機管理体制を整えてきました。  長野県は、全国的にも危機管理体制が進んでいる県と評価できるとのことですが、残念ながら、それを動かす県組織の機能が万全とまでは言えないとのことです。特に、人事異動が情報共有等の弊害になっているようであります。そこで、様々な災害が毎年のように頻発する現在、県民の安全、安心を確保するための危機管理体制を万全にするべく、人事異動のない危機管理のスペシャリストで構成される知事による特命チームを設置することを提案しますが、知事の御所見をお聞きいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)2点御質問を頂戴いたしました。  まず、石油組合の皆さんとの随意契約の締結についての御提案でございます。  結論的に申し上げますと、御提言の趣旨を踏まえて検討していきたいというふうに思います。ガソリンスタンドは地域住民の生活基盤を守るライフラインでありますし、また、災害時等にも大きな役割を果たしていただいているところでございます。地域におけるガソリンスタンドを維持していくということは、これからの地域社会を維持していく上で大変重要だというふうに思っております。  知事部局の全車両の燃料を同組合との随意契約で購入することにつきましてはなお検討すべき課題もあるというふうに考えております。今後、契約に関する条例の趣旨、これは、県内の中小企業者の受注機会の確保等をうたっている条例でありますが、こうした趣旨も踏まえつつ、公平性や経済合理性といった視点も持ちながら契約の在り方について検討してまいりたいと考えております。  それから、危機管理の特命チームの設置を行ってはどうかという御提案でございます。  近年、自然災害が頻発化、激甚化しているわけでありますので、御指摘のとおり、危機管理体制を強化していくということは大変重要な課題だというふうに考えております。県としても、職員育成基本方針に沿いまして、様々な分野のスペシャリスト人材の育成を進めているところであります。この危機管理分野は、特に私も重要だというふうに思っています。例えば、県警や自衛隊で指揮経験を持つ方を危機管理監、危機対策監という形で任用させていただいているところでございます。  また、職員の配置に当たりましては、危機管理業務を経験した人間はできるだけ異動期間を長期化すると同時に、ほかの部署に出てもまた呼び戻して配置するといったような形で、できるだけ専門性を上げていくような人事も行っております。加えて、研修派遣ということで、例えば政策研究大学院大学の防災・危機管理コースに派遣した職員を活用したり、あるいは、財団法人の中でも、震災の復旧・復興を行ってきた機構に職員を派遣したりということで、人事異動のみならず、研修派遣においても危機管理の専門性の向上ということを図ってきているところでございます。  これまでも様々な取組を行ってきているわけでありますけれども、専門性の高い人材の育成、確保、活用、これは、危機管理部のみならず、県庁全体、それぞれの部局でも大変重要な課題だというふうに考えております。引き続き県組織や人事の在り方全体を考える中で御提案を受け止めていきたいというふうに思いますし、また、今後の組織の在り方、検討の視点としても、やはり専門性が高い人材の育成、人事配置、こうしたものについても引き続き取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上です。       〔49番西沢正隆君登壇〕 ◆49番(西沢正隆 君)知事部局でも、官公需適格組合である長野県石油組合との随意契約を検討していくという話でございました。これを検討するには様々な障害があると思います。県警でも、一括の随意契約を受け入れるのに相当苦労したということも聞いていますので、段階的に、例えば地域振興局でやってみるなどモデル的にスタートしていっていただければと思うところでございます。  そして、このスペシャリストで構成される特命チーム、これも、危機管理部があるので屋上屋になるのではないかという懸念もありますが、今、指揮系統はしっかりしていると思うんです。その中で、職員が異動してしまい、せっかくあそこまで話が進んでいたのにまた一からだということ、これはどの分野でもあると思うんですけれども、ぜひスペシャリスト集団として危機管理部を構成し、その先には特命チーム等も御検討いただければと思います。  様々なことをお話ししてまいりましたが、本当に県民の皆さんはこの新型コロナウイルスで疲弊しています。何とかしてほしいという声、やはり国、県、市町村が一致団結して、行政が何とかしていかなければいけないと思います。今日までの経験を生かし、知事においては、コロナ禍の収束を目指し、県民の安全、安心を守り抜くため、慎重かつ大胆なかじ取りをお願いし、私の質問を終了させていただきます。 ○議長(宮本衡司 君)次に、小池久長議員。       〔30番小池久長君登壇〕 ◆30番(小池久長 君)茅野市の高部地区では、9月5日午後7時から8時にかけて、杖突峠観測所におきまして時間雨量63ミリという局所的な短時間豪雨があり、下馬沢川において大規模な土石流が発生いたしました。  この地区では、平成18年7月豪雨、平成21年8月豪雨により同様の土砂災害を経験していることから、例年、地域で避難訓練を行うなど、災害に対する防災意識の高さが早めの避難につながり、人的被害を免れたものと思います。幸いにも人的被害はなかったものの、約3万立方もの土石が流下したことにより、多くの家屋、農地が被災するとともに、県道も一時通行止めとなるなど、甚大な被害となったわけであります。  発災直後より、本流におきましては、諏訪建設事務所が応急工事として流路内や既設砂防堰堤の除石を急ピッチで進め、9月12日に行われた住民説明会では、恒久対策として砂防堰堤を新設する方向で調整していくこと、また、下馬沢川上流域及び支流への対応につきましては、諏訪地域振興局林務課が、応急工事として既存の谷止工に堆積した土石や流木の撤去を行うほか、恒久対策として、令和4年度中の竣工を目標とし、下馬沢川に流れ込む支流へ新たな谷止工の設置や、その谷止工設置完了までの応急対策として、その上流に土石流対応のワイヤーネットなどによる仮設構造物の設置を年内までに行う予定との説明がありました。  しかしながら、新たな谷止工の完成は令和4年度末頃までかかることから、その間、様々な手段で住民の皆様の安全確保を図る必要があります。茅野市では、今回、雨量観測データによる新たな避難開始の基準を設けて避難情報の広報を行うこととしており、この広報により住民の皆さんが早めに避難していただくことが一番の安全対策であるが、これを補完するものとして、実際に土石流が発生した場合の緊急の広報も大変重要であると考えております。  そこで、林務部長にお伺いいたします。  現在、諏訪建設事務所が下馬沢川の本流に土石流センサーを設置しておりますが、林務部として上流域の監視システムの設置についてどのように考えているのか、林務部長にお伺いいたします。  また、近年は、気候変動に伴い、短時間豪雨の増加や、豪雨が長時間継続するなど、降雨形態の変化により、今後も山地災害や洪水被害が激甚化することが懸念されております。一方で、県内の南信地域などでは、昭和36年災害では約2万5,000か所の山地災害が発生しておりましたが、令和2年7月豪雨では32か所と、大災害時と比較し、総降水量が多かったにもかかわらず山地災害発生箇所数が大幅に減少していることが確認されています。  こうした流域では、過去からの森林造成、治山対策により、人工林を中心に森林資源が充実してきており、森林土壌の保持等を通じて一定程度土砂災害防止機能や洪水防止機能を発揮したものと推察されます。また、諏訪地域の治山事業につきましては、平成18年7月豪雨災害を契機として、森林の持つ土砂災害防止機能を高度に発揮できる森林造成、防災林への誘導等を総合的にする災害に強い森林づくりを積極的に進めており、この取組は全国的にも注目され、県外はもとより、国際協力機構、JICAによるアジア諸国からの研修視察も多く実施されております。これらによる施工地では新たな災害は発生しておらず、効果は着実に発揮されております。  今後、降雨形態の変化により山地災害が同時多発化、激甚化が予測されることからも、諏訪地域の安全確保を図るため、災害に強い森林づくりをさらに加速化させる必要があると思いますが、県が実施する治山対策では今後の事業展開をどのように考えていらっしゃるのか、重ねて林務部長にお伺いいたします。  気候変動が私たちの身近に迫る昨今、今後一層太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入が加速するものと思います。このように、ゼロカーボンを取り巻く環境や情勢が刻々と変化する中、長野県では、本年6月、長野県ゼロカーボン戦略を策定し、2050年にCO2実質ゼロ達成のため、短期的に再生可能エネルギー生産量の2倍増を要求し、2030年には屋根太陽光発電22万件などの普及を掲げております。  そこで、屋根太陽光発電の促進事業として県が今年度スタートした共同購入事業のグループパワーチョイス、信州の屋根ソーラー普及事業の現在までの状況、そして、当該事業への現時点の評価について環境部長にお伺いいたします。  また、現況から、屋根太陽光発電で戦略に掲げる2050年に想定78万件の屋根ソーラーが実現可能な見込みであるのか、環境部長に現時点での御所見をいただきたいと思います。  戦略には、再生可能エネルギーの普及拡大として、再生可能エネルギーと地域の調和を促進することを前提に、大規模再生可能エネルギー事業、中小規模再生可能エネルギー事業、ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電システム)を掲げ、屋根太陽光発電以外にも取り組むこととしております。このように規模の大きい太陽光発電施設など環境への影響が懸念される施設の促進に当たっては、どのような配慮が必要であるのか、環境部長にお伺いいたします。  これまで、諏訪地域では、八ヶ岳中信高原国定公園の霧ヶ峰高原に近い山林におきまして約200ヘクタールに及ぶメガソーラー計画が浮上し、平成28年から長野県環境影響評価条例に基づき手続が始まり、水源への影響や災害誘発への地域住民の皆さんなどの意見に対して事業者が対応策を十分に説明できないなどにより、令和2年6月に計画を中止した事案は記憶に新しいところであります。この事案は、メガソーラー計画で地域環境との調和が大きな論点となり、長野県環境影響評価技術委員会において各分野の専門家から科学的知見に基づいた議論がなされたことは誠に評価すべきもので、知事の判断により平成27年に長野県環境影響評価条例を改正し、一定規模以上の太陽光発電施設を対象としたことが大きな成果であったと思います。  一方で、県では、地域と調和した太陽光発電施設の普及を目的に、太陽光発電を適正に推進するための市町村対応マニュアルを策定し、市町村を支援するとしておりますが、このマニュアルは、モデル条例を示すなど工夫はされておりますが、太陽光発電の設置に当たっては、法や県条例に係る以外の事項については各市町村が地域の実情に応じて対応するものと理解しています。  太陽光発電施設につきましては、全国で景観に支障を来す事例や崩落事故が報告され、長野県においても、土地が売却され、文化財や山林などが次々と失われ、無秩序に太陽光発電施設が設置され、盛土や切土による災害、景観、水源などへの懸念など住民不安が大きく、深刻な状況であります。気候変動による災害抑止のためのゼロカーボン戦略であり、太陽光発電施設により災害を引き起こすことはあってはならないわけであります。  現に、山梨県では、山梨県太陽光発電施設の適正な設置及び維持管理に関する条例を制定し、来月、10月1日に施行いたします。この条例は、発電出力10キロワット以上の太陽光発電施設について、森林の伐採を伴う地域森林計画対象民有林の区域や土砂災害警戒区域など、県内の8割に相当する区域で設置を原則禁止し、設置する場合は知事の許可制の創設、条例に違反した場合の行政処分や過料等の行政罰の適用など、厳しい規制が始まります。  県は、平成8年3月に制定した長野県環境基本条例の前文で、「自然と人とが共生し、環境への負荷の少ない持続的に発展することができる郷土を築く」ということを基本理念としております。そこで、長野県において、統一的かつ厳正な太陽光発電所の推進のため、市町村域を超えた県下全般にわたる太陽光発電所の規制区域の設定、防災や環境影響などへの技術面、計画者の安定的、持続的な事業が可能かどうかという経理的な基礎などの人的な面や、地域と計画者との協定締結などが担保される仕組みづくりが必要だと思います。地域と調和した太陽光発電を促進するためのお考えについて知事の御見解をお伺いいたします。       〔林務部長井出英治君登壇〕 ◎林務部長(井出英治 君)2点お尋ねをいただきました。  まず、下馬沢川上流域の監視システムの設置についてでございます。  今回の土石流の主要因は、集中豪雨により沢の流量が急激に増え、沢の中にたまっていた土石が一気に流れ出たものであることから、上流域の降雨量を把握するため、本流と支流の合流地点に雨量計を設置いたしました。この雨量計において、時間雨量が15ミリ、または連続雨量が80ミリに達した場合、茅野市へメールにより配信することとしております。また、監視カメラを設置し、地域住民の皆様が上流域の沢の状況を把握できるよう画像をウェブで公開しています。さらに、今後は、流域全体の異変を察知するため、流量計等により流量の急激な増減や水の濁りなどを把握し、適時情報を提供するなど、茅野市、関係機関、住民の皆様との連絡体制を構築してまいります。  次に、治山対策の今後の事業展開についてでございます。  本年8月、9月の大雨により、諏訪管内では29か所の山地災害が発生しております。そのため、来年度から、新たな治山対策として、災害が集中した諏訪西山地区を対象とした総合的な流域対策事業の導入を考えております。この事業では、リモートセンシング技術を活用し、流域内の荒廃地や手入れ不足の過密林等、土砂災害防止機能や水源涵養機能が低下している箇所を抽出し、治山施設設置と森林整備を一体的に行う計画です。特に、下馬沢川等においては、災害発生メカニズムの分析やこれまでの対策の効果検証により、流域単位での新しい治山対策のモデル地区としてより効果的な事業を展開してまいります。今後は、こうした取組を全県へ広げることにより、災害に強い森林を育成し、県民の安全、安心の確保を図ってまいります。  以上でございます。       〔環境部長猿田吉秀君登壇〕 ◎環境部長(猿田吉秀 君)3点お尋ねをいただきました。順次お答えいたします。  最初に、屋根太陽光発電の促進に向けて実施しております二つの事業について、実施状況と評価についてのお尋ねでございます。  太陽光発電設備等の同時購入による価格面でのスケールメリットに期待し、普及を図ろうとするグループパワーチョイス、いわゆる共同購入事業につきましては、県内を二つのブロックに分け、6月から募集を開始し、9月7日までの募集期間中に954件の申込みがございました。現在、個々に現地調査や契約条件の打合せなどが行われておりまして、この申込み者のうち一定数が契約、設置へと進んでいくこととなります。  また、地域の身近な事業者による信州の屋根ソーラー普及事業につきましては、140以上の事業者を普及事業者として認定させていただくとともに、これら認定事業者の普及活動によりまして、太陽光と蓄電池を組み合わせた県民向け補助は約150件を超える申請となっております。  両事業とも、開始からまだ数か月という時点でございますので、事業の成果を評価できる段階にはございませんが、太陽光発電設備等の普及に向けて手応えを感じさせていただいているという状況でございます。  次に、同じく屋根ソーラーに関してでございますが、長野県ゼロカーボン戦略に掲げる2050年、78万件の屋根ソーラーが実現可能な見込みであるのかとのお尋ねでございます。  戦略に掲げました目標につきましては、本県が公開しておりますソーラーポテンシャルマップにおいて太陽光発電に適しているとされております建物約98万件のうち、人口減少等も考慮し、その約8割に当たる78万件と設定したところでございます。このうち、住宅につきましては、建て替え、新築時にゼロエネルギー化を図り、太陽光発電設備等の設置を促進していくほか、既存住宅につきましては、先ほどお答えしたような事業により普及拡大を図ってまいります。  一方、店舗、事業所等の非住宅への導入が課題と考えておりまして、住宅同様に新築時の設置誘導、あるいは初期費用が低減でき、新たな民間サービスとして広がりつつあるPPAモデル活用のほか、再生可能エネルギーの導入自体が企業価値を高めることにつながるといった啓発を行ってまいりたいと考えております。  2050年の78万件、これは決して易しい目標とは考えてございませんが、気候危機に正面から向き合う長野県として達成しなければならない目標と捉え、さらなる工夫を重ねて取り組んでまいりたいと考えております。
     3点目でございます。太陽光発電につきまして、いわゆる野立て太陽光施設の配慮すべき事項は何かとのお尋ねでございます。  いわゆる野立ての太陽光発電施設につきましては、アセス制度の対象となる大規模なものから空き地や庭先といった遊休地を利用するものまで大小様々なものがございます。また、農地との両立を図るソーラーシェアリングという形態もございます。  こうした面的な開発において配慮すべき事項につきましては、大きく二つあると考えております。一つは、その土地が有している機能を可能な限り確保すること。例えば、動植物の生息、生育や営農などの土地利用、あるいは水源の涵養、CO2の吸収などといった点でございます。二つ目としては、その土地の周辺に影響を及ぼさないことでございまして、景観の保全、土砂や雨水の流出の防止、あるいは生活環境への影響などに十分な配慮が必要と考えております。  2050ゼロカーボンを目指す上では、これらに加えて、その発電事業が、地元が担い、地域のためのものであること、これも重要と考えております。県といたしましては、こうした観点に立ちながら、野立て太陽光発電施設につきましても適切な誘導につながる施策を講じていきたいと考えております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には、地域と調和した太陽光施設を促進するための考え方についての見解という御質問をいただきました。  2050ゼロカーボンを達成するためには、屋根ソーラーだけではなく、いわゆる野立てによる太陽光発電も一定程度必要になってくるというふうに考えております。そのためには、やはり防災面や環境面などに十分配慮して、地域の合意を得ながら施設の設置を進めていただくということが重要だというふうに考えております。  このため、これまでに、アセス法、アセス条例の対象事業化、FIT法の改正による外部積立制度と失効制度の導入、林地開発許可制度の強化、県のマニュアルに基づく市町村条例の制定など、国の取組、市町村の取組とも相まって、県としてもこうした取組を進めてきたところでございます。  本年の地球温暖化対策推進法の改正によりまして、来年度から促進区域という制度が新しくスタートすることになります。これによりまして、市町村は、太陽光発電などの再生エネルギー生産設備等を誘導する区域の設定ができることになります。市町村の区域設定に当たりまして、県として除外すべき区域や配慮すべき事項に関する基準を示すことができるとされております。長野県としては、来年度からこの制度開始がしっかりできるように、県としての考え方をしっかりまとめた上でお示ししていきたい。そのことを通じて、環境、地域と調和の取れた太陽光発電の設置が進むように取り組んでいきたいと考えております。  以上です。       〔30番小池久長君登壇〕 ◆30番(小池久長 君)現在、大型の台風が北上しております。新たな災害にならないよう心より願いまして、一切の質問を終わりといたします。 ○議長(宮本衡司 君)次に、和田明子議員。       〔39番和田明子君登壇〕 ◆39番(和田明子 君)交通の大動脈である国道19号について伺います。  まず、長野市信州新町地籍では、今年2月から路面の沈下が確認され、3月21日から5月の連休前まで1か月半の間、全面通行止めでした。現在は、片側交互通行で車両の通行が確保されているものの、大きく沈下した道路の本格復旧工事はまだです。この信州新町水篠橋では、蛇行する犀川の水流の影響で、2017年10月にも橋と道路に大きな段差が生じて通行止めになり、片側交互通行で2年近く工事を行い、2019年に全面復旧したところでした。あれから2年もたたずに路面沈下が生じたことで、地域住民はじめ広域的にも影響が及んでいます。  また、国道から山側に数十メートル離れた場所を国道19号と並行して走る花倉地籍の市道にも、路面に数か所のひび割れと大きな段差が生じています。市道付近が地滑り面の頂部ではないかと見る専門家の意見もあり、地域住民からさらに地滑りが起こるのではないかと心配の声が寄せられています。いずれも国と長野市の管理する道路でありますが、県としてどう捉えているのか、お聞きします。  同じく、国道19号において、今年7月6日午前6時頃、長野市篠ノ井小松原の産業廃棄物処理事業者の従業員が出社したところ、事業所から数百メートル離れた小松原の土砂が押し寄せ、事業所のストックヤードも基礎から押し出すほどの大規模な地滑りが発生しました。地滑り発生後に、県砂防課、土尻川砂防事務所で緊急調査をし、地滑りの土砂の流出による危険を回避するため、19号が全面通行止めになりました。その後、7月14日から、午前6時から午後9時まで片側交互で通行が可能になり、現在も夜間全面通行止めの規制を継続しています。  7月の地滑り発生後には、長野国道、長野県、国土技術政策総合研究所などと合同現地調査、応急の対策、詳細調査が行われているとお聞きしますが、地滑りの原因分析と今後の対策工事等の見通しについてお聞きします。  19号の道路管理は長野国道ですが、交通の大動脈で、地域住民の生活にとっても、通勤・通学の時間に交通規制がかかるため、午前6時から渋滞が発生していますし、午後9時までに通過しなければならず、日常生活に影響が及んでいます。また、北陸から関東への物流の要にもなっている国道が夜間から早朝まで全面通行止めの影響は甚大です。大規模な地滑りの対策工事の完了までこのような時間規制を伴う片側交互通行が行われるのか。安全確保は第一ではありますが、安全確保をしつつ、24時間通行を確保できないか。地域や関係市町村からの意見も踏まえて、今後の見通しについて伺います。  地滑りが発生した篠ノ井小松原地籍の対岸、市道飯森新橋線は、道路管理者として長野市が花上トンネル周辺に伸縮計を設置していたところ、一定の基準を超える変動があったため、市道飯森新橋線も通行止めになっています。犀川の左岸、国道19号と並行している道路が迂回路として通行できないことも19号の渋滞と大回りになる迂回路への負担増になっています。市道周辺については、東京電力のダム湖の水位の変動により、特に水位が低下すると地滑りが活発化する傾向があり、東京電力小田切発電所の貯水池地滑りではないかとも言われています。市道飯森新橋線の通行止め解除の時期も不明です。ダム湖の水位と地滑りの関係などは東京電力、長野市と県も情報共有しているとお聞きしておりますが、今後の対策と見通しについて伺います。  国道19号が、路面沈下、あるいは周辺の地滑りなどにより、現在2か所で交通規制がかかり、大動脈としての国道の役割を十分に果たせていません。遡れば、信更町安庭地籍でも地滑りによって19号が通行できない災害が起こるなど、犀川と並走している19号の周辺は脆弱な地盤の箇所が多く見受けられます。道路復旧に当たって、原形復旧でいいのかも含めて国に対策を求めていただきたいがいかがか、お聞きします。  次に、県管理道路の対策についてお聞きします。  国道19号の信州新町地籍及び篠ノ井小松原地籍において、それぞれ原因も対策工事も異なりますが、いずれにおいても、本格的な対策工事を経て全面的に通行が可能になるには2年を要すると思われます。その間の迂回路は、一般国道406号、県道戸隠篠ノ井線、長野信州新線、県道小川長野線、いずれも県管理道路です。  9月補正予算で緊急的に迂回路の改良、改善が必要な箇所へ予算づけをしていただいたことは感謝するところでございます。迂回路になっている県管理道路は、普通車の擦れ違いも厳しい狭隘部や見通しが悪い連続カーブの箇所など、地元の道路改良を求める期成同盟会などから長年にわたって要望がある箇所でもあり、建設事務所には年度ごとに改良していただいているところです。しかし、19号の通行止めという緊急事態の下で、早急に対応が必要な道路改良についてどう対策をするのか。集中的に改良促進をしていただきたいと考えますが、いかがか。以上、建設部長にお聞きします。       〔建設部長田下昌志君登壇〕 ◎建設部長(田下昌志 君)私には6点ほど御質問をいただきました。順次お答えさせていただきます。  国道19号、長野市信州新町地籍の災害箇所についてのお尋ねでございます。  当該箇所につきましては、地滑りの影響で国道の路面が沈下し、さらに並行している市道上条花倉線についても被災して段差が発生している状況でございます。そのため、現在、国により、復旧工事として、市道も含めた一体的な地滑り対策工事が実施されております。また、市道については、地滑り対策工事により変状が収まり次第長野市が災害復旧事業を申請し、段差等の解消を行うこととしております。県としましては、地域の安心、安全の確保のため、一日も早い復旧が必要と捉えておりまして、今後、緊急時には迂回路を確保するなど、国や長野市と連携して取り組んでまいります。  次に、長野市の小松原地籍で発生した地滑りの原因と今後の対策工事の見通しについてのお尋ねでございます。  今回の地滑りの原因としては、現場周辺はもともと地滑りを起こしやすい地形、地質であったところに、発災前に降った雨により地下水が上昇したことで今回の地滑りが発生したものと想定しております。  対策工事につきましては、県では、災害関連緊急地すべり対策事業により応急横ボーリング工や仮排水路等の地下水を排除する工事を実施しており、今後、地滑り本体を止めるための横ボーリング工などを行ってまいります。引き続き、国と県で連携しながら早期の地滑りの安定化を図ってまいります。  次に、国道19号小松原の24時間通行の見通しについての御質問でございます。  国は、現在、専門家の助言をいただきながら崩壊土砂防止柵等の対策を進めておりまして、規制緩和に向けては、有識者等から成る地すべり対策検討委員会において対策工事の進捗状況や国道への地滑りの影響について検討し、安全の確認をした後に、24時間通行を含め、規制緩和の判断をすることになります。国からは、なるべく早く今後の見通しについて住民の皆さんにお知らせしたいと聞いておりますが、県としましては、今後も、地域や関係市町村からの意見を国と情報共有し、早期の規制緩和に向け、国と連携した取組を進めてまいります。  次に、長野市道飯森新橋線の災害に関するお尋ねでございます。  御質問の市道は、令和2年7月の豪雨に際して地滑り事象が発生し、その後の市の観測でも変動が確認されたことから、現在、通行止めとしております。  当該箇所は、地滑りに起因する長野市道の災害復旧として対応することとしておりますが、こうした地滑り災害は、現地の挙動を踏まえた復旧のタイミングや地滑りのメカニズム、これに対応した復旧工法等を詳細に検討した上で災害査定を受けることになります。  長野市では、年内の災害査定を経て復旧工事に着手する予定と聞いております。県としましては、技術的アドバイスを積極的に行い、直接国土交通省との調整を実施してまいります。さらに、工事が円滑に進むよう、県は、小田切ダムを管理する東京電力が参加する調整会議を開催するなど、早期復旧に向け、長野市を支援してまいります。  次に、国道19号の道路復旧に関してでございます。  国道19号の安曇野市から長野市の間は脆弱な地質が続いており、雨量による事前通行規制区間が4か所あるなど、度々災害が発生しております。その復旧に当たって、国では、早期に交通を開放する観点から、原形復旧を基本に、再度災害のないよう十分工法を検討した上で実施しているところでございます。  また、国道19号は危険箇所が多々あることから、計画的に解消を図ってきているところであり、現在、山清路地区については、より安全な道路とするために、トンネルを含むバイパス工事を実施しているところでございます。  国道19号は、地域を連結し、住民にとっても非常に重要な路線であることから、早期に危険箇所の解消が図られるよう期成同盟会からも御要望いただいており、県としましても、様々な機会を捉え、着実な事業促進を国に求めてまいります。  最後に、国道19号の迂回路になっている県管理道路の改良についてのお尋ねでございます。  小松原地籍の地滑りに伴い、県道長野信州新線や県道戸隠篠ノ井線など近隣の狭隘な県道が迂回路として利用されております。これらの路線は、地域の皆さんや期成同盟会から御要望をいただいており、鋭意整備を進めてきているところでございますが、今回の災害を受け、早急に対応できる局部的な道路拡幅や待避所設置の費用を補正予算案に計上し、迂回路の安全対策を実施してまいります。  計画的な道路改築に対しましては、急峻な地形の箇所や集落内の人家が連なっている箇所など整備に時間がかかる箇所もございますが、引き続き、地域の皆さんの御意見を伺いながら、着実に改築を進めてまいります。  以上でございます。       〔39番和田明子君登壇〕 ◆39番(和田明子 君)関係機関と連携しながら様々な対策をしていただいているということでございますが、地域の皆さんは見通しについて情報を出してほしいと言われております。適宜に情報提供、発信をしていただきたいと要望しておきます。  次に、会計年度任用職員について伺ってまいります。  民間大手企業を対象に、正規職員と非正規職員の間での不合理な待遇格差をなくす同一労働同一賃金が始まる中で、昨年4月から正規と非正規の公務員の格差の是正を図り、自治体で働く非正規公務員の待遇改善を進めるために、会計年度任用職員制度が始まりました。ボーナスや退職手当などが支給できる新たな制度になりましたが、フルタイム勤務では、仕事の内容によって6段階に分かれているとお聞きしております。それぞれ期末手当支給の条件を満たしている場合の期末手当はどのくらい支給されるのか、また、支給されている職員の割合はどの程度おられるのか、総務部長に伺います。  手当には超過勤務手当も記載されております。ところが、会計年度任用職員の超過勤務手当については、会計年度任用職員の超過勤務は制度上認められていますが、予算としては認められていません。予算額を上回った場合には、他の科目からの流用ができないため、3月に大幅に勤務を減らしていただく等対応が必要となってくる可能性があります。各所属において、会計年度任用職員の勤怠管理を徹底していただき、毎月の執行状況の把握に努めることというような事務処理手続に当たっての取扱いが行われているとお聞きしております。これは事実なのでしょうか。  所属によっては、会議や出張、相談業務など、超過勤務をせざるを得ないし、実際に超過勤務が行われているのでありまして、当然、超過勤務手当を支給すべきと思います。どうなっているのか、そのほかの手当も含め執行状況はいかがか、お聞きします。  より専門性を必要とする専門業務に対応している職員は、従前の制度では行政嘱託職員として業務に当たってきました。一般行政の嘱託職員とは異なり、正規職員と同様、または正規職員がいない専門業務を担っているなど、県行政のサービスの質を維持し、担保しています。相談窓口や福祉業務などは、多くの経験を積み、研修を受け、資格も有している専門性が高い職員が担っているため、5年を超えても行政嘱託職員として雇用を継続してまいりました。新たに会計年度任用職員制度に移行したことによって、今後は5年を超えて同じ業務に携わり、雇用が継続されるのか、総務部長にお伺いいたします。       〔総務部長玉井直君登壇〕 ◎総務部長(玉井直 君)私には3点御質問をいただきました。  まず、会計年度任用職員に係る期末手当についてでございますが、会計年度任用職員の期末手当については、令和3年度は2.55月分を支給することになっておりまして、フルタイム勤務職員は、給料月額によりまして、年間で38万6,000円から50万4,000円が支給されることになっております。  支給職員の割合については、今年6月の支給では、フルタイム勤務職員は全員に支給しているほか、知事部局の場合は、パートタイム勤務者については約6割、61.5%の職員に支給しているところでございます。  次に、会計年度任用職員に対する超過勤務手当等の支給についてでございます。  業務の必要上、正規の勤務時間以外にも勤務を行うことが命じられた場合には、フルタイム勤務職員については、正規職員同様、超過勤務手当を支給するほか、パートタイム勤務職員については、勤務実績に基づき報酬に上乗せして支給しているところでございます。  執行の状況でございますが、直近の給与支給日である9月16日にフルタイム勤務職員に支給された給与の状況を見ますと、8月の時間外勤務の実績として、42人の職員に総額39万円余、1人当たり平均9,418円の超過勤務手当が支給されております。このほか、8月分の実績に基づき、地域手当や通勤手当等を含めた手当支給総額は460万円余でございまして、1人当たり平均1万985円が支給されております。  なお、時間外勤務を命じて、実際に行ったにもかかわらず、手当を支給していない例が仮にあるとすれば、これはあってはならないことだというふうに考えておりますので、適切な対応を講じる必要があるというふうに認識しているところでございます。  3点目として、専門性が高い職員の5年を超えた任用についてでございますが、会計年度任用職員の任期は、原則として、同一の業務に従事する場合は公募によらず、5年間は任用が可能でございます。5年間の任用が終了した後にさらに引き続いて任用を希望する職員は、年度ごとに公募による選考に合格することが必要となっております。  なお、お尋ねの専門的な資格や経験、技能を有し、長期間の任用が望ましい業務については、5年間の任用期間終了後に一度公募による選考に合格した後は、再度5年間は公募によらない任用が可能になっております。  以上でございます。       〔39番和田明子君登壇〕 ◆39番(和田明子 君)今の御答弁で、超過勤務手当は、超勤をすれば当然支払われると言われておりますが、年度末の3月にその年度の予算の範囲を超えないように調整をするということが行われているのかどうか。この点についてもう一度確認しておきたいと思います。総務部長、よろしくお願いいたします。  会計年度任用職員制度により、非正規公務員にボーナスや退職手当などの支給が可能となり、少しは待遇がよくなるのではないかと期待をしたが、業務の内容が変わらないのに勤務時間が短くなり、収入が減った。制度の移行に伴いボーナスは支給されるようになったが、月々の給料が3万円ほど減額されたため、年収はほとんど変わらない。職場によっては新型コロナウイルス感染症の影響で業務量は大幅に増えたなど、制度導入から1年余り、早くも当事者からは失望の声が寄せられております。  全国の自治体で働く非正規公務員の現状について、現場で働く人などでつくるグループは、非正規公務員の現状を多くの人に知ってほしいと、1,200人余りにアンケート調査を行いました。それによりますと、去年の年収について、200万円未満の回答が52%と半数以上に上りました。1週間の所定の勤務時間は、30時間以上40時間未満が45%と最も多く、一人暮らしや家族と同居する人も含めて、「自分の収入が家計を主に支えている」が35%でした。さらに、今の職場での勤務年数は、6年から10年が21%、11年から15年が9.8%、16年以上が7%となっており、有期雇用の非正規労働者が5年を超えて働いた場合無期雇用に切り替えることを企業に義務づける無期転換ルールは自治体職員に適用されないため、契約を繰り返し、更新し続けている人が相次いでいるのが実態です。日頃感じていることとして、給与額が低いが42%、将来への不安が34%、やりがい搾取がされているが22%などとなって、待遇の改善を求める声が多く出されておりました。  長野県における会計年度任用職員数は、今年度4月1日現在、知事部局では、フルタイム職員221人、パートタイム職員1,403人で、全職員の23.7%、約4人に1人です。教育委員会では、フルタイム職員191人、パートタイム職員1,864人で9.4%とお聞きしております。会計年度任用職員が知事部局と教育委員会で3,500名、この方々が日頃感じていることは、先ほどの全国の自治体で働いている非正規公務員の方々と同じではないでしょうか。  行政改革の名の下で、地方公務員は320万人から270万人へと50万人も減りました。長野県も例外ではなく、行政改革により、職員数は、ピーク時の平成5年から、教育、警察部門も含めて5,000人以上の削減を実行してまいりました。私たち共産党県議団は、幾度となく、行政嘱託や臨時職員など非正規職員に置き換えられ、県行政の担っている各分野の専門性が担保できるのかと問題を指摘してきたところです。  県職員は、様々な分野で専門性の高い職員が県民の皆さんや市町村にも求められる行政サービスを維持し、提供していただいています。専門業務対応職員は、本来は正規職員として採用すべきと思います。知事、いかがでしょうか。  また、正規と非正規の格差是正を図り、自治体で働く非正規公務員の待遇改善を進めるために会計年度任用職員制度がスタートしたはずでしたが、現状は、公務労働においても貧困と格差の是正は遅れ、官製ワーキングプアという実態があります。このような公務労働を長野県が率先して解消すべきと思います。知事に伺います。       〔総務部長玉井直君登壇〕 ◎総務部長(玉井直 君)予算が取れず、年度末に調整することがあるのかという御質問かと思いますが、超過勤務につきましては、通常の契約している業務にプラスして超過勤務を命ずるということかと思います。各所属の予算の状況にもよりますが、年度末になって予算不足になる可能性はありますが、これは、必要に応じて業務を命じるということであって、先ほど申し上げましたが、命じられて仕事をするということであれば、当然超過勤務手当は支払わなければいけないことでございますし、もし年度末になってそういう状況になれば、主管課なり私ども人事課に相談をいただいた上で対応について検討するべきことだというふうに考えております。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)会計年度任用職員に関連して私にも質問を頂戴いたしました。  まず、専門性の高い職員の正規採用についてという、いわゆる任期の定めのない常勤職員としての採用という御質問かというふうに思います。  公務員制度上、常時勤務を要する職というものは、従事する業務の性質に関する要件、それから勤務条件に関する要件、要は相当の期間任用される職員を就けるべき業務に従事する職かどうか、また、フルタイム勤務とすべき標準的な業務量がある職であるかどうか、こうした要件に照らして、いずれの要件も満たす職ということとされています。県としては、今後とも、こうした考え方を踏まえて適正な任用を行っていきたいというふうに考えております。  続きまして、ワーキングプアというような公務労働を解消すべきという御質問であります。  これは、常勤の職員、非常勤の職員を問わず、長野県で働く職員がモチベーションを持って取り組んでいってもらえるということが非常に重要なことだというふうに私も思っております。  会計年度任用職員の制度は、これまで不安定であった臨時職員、非常勤職員の問題の解決のために創設された制度だというふうに認識しております。私も、かつて自治省の公務員課で勤務していたときに、自治労はじめいろいろな皆さんと、臨時職員、非常勤職員の問題についてかなり検討したところでありますけれども、そうした課題の解決の方向性がこの会計年度任用職員で示されたものというふうに考えています。  この制度導入によりまして、御質問にもありましたように、今まで一般職の非常勤職員というのは、地方公務員法上の任用根拠が必ずしも明確ではなかった部分があるわけであります。任用の根拠が不明確であると、手当を出したくても出せないといったような課題があったわけでありますけれども、今回、この制度の導入によりまして、非常勤職員の任用根拠が明確化されて、給与を含めた勤務条件についても改善が図られたところであります。  御質問にあったように、期末手当、退職手当が一定の要件に該当する職員には支給することができるようになりましたし、夏季休暇、結婚休暇、こうした休暇制度も拡充されたところでございます。県としても、期末手当の支給月数については、今年度から常勤職員と同様に2.55月に引き上げるという形で処遇の改善を図らせていただいているところでございます。  今後とも、この制度の適正な運用と定着に努めていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔39番和田明子君登壇〕 ◆39番(和田明子 君)制度の趣旨を捉えて、適正な運用をぜひお願いしたいと思います。  その上で、なお改善が必要な部分については国に求めていただきたいと思います。  コロナパンデミックや気候危機に直面して、行政が求められるもの、果たす役割は一層大きくなっております。正規職員の皆さんも含め、兼務がかかったり、負担が大きくなっています。現場で働く職員の声を聞いて、一層の改善を求めて、一切の質問を終わります。 ○議長(宮本衡司 君)この際、午後1時まで休憩いたします。         午前11時46分休憩          ──────────────────         午後1時開議 ○副議長(清水純子 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  竹花美幸議員。       〔17番竹花美幸君登壇〕 ◆17番(竹花美幸 君)まず最初は、通学路の徹底した安全対策についてからです。  千葉県八街市で、6月に、歩道が整備されていない通学路でトラックが児童の列に突っ込み、下校途中の児童5人が死傷するという痛ましい事故が起こりました。これを受けて、文科省は、7月9日、都道府県教育委員会などに、小学校の通学路の合同点検を実施して危険箇所をリストアップし、道路管理者や警察と連携して安全対策を進めるよう求める通知を出しました。
     長野県においては、通学路の合同点検と一斉街頭啓発の実施を7月2日の知事会見で発表され、県、県教育委員会、警察本部は、点検結果を踏まえ、連携して改善策に取り組むことが打ち出されました。長野県教育委員会では、7月15日付で、通学路における合同点検の実施について各市町村に通知が出されております。  通学路の安全対策をめぐっては、2012年4月に京都府亀岡市で登校中の児童ら10人が死傷した事故の後、登下校中の児童が巻き込まれる交通事故が相次いだことをきっかけに、全国で通学路の安全確保の取組が進められてまいりました。事故後に全国の自治体が行った緊急合同点検結果について、2017年度末時点で国はその後の対応状況を調査しており、対策が必要とされていた場所は全国7万4,483か所で、うち7万2,238か所が対策済みとされ、全国の通学路の緊急箇所は97%が安全対策が取られたことになります。  昨今、市町村においては、通学路交通安全プログラム等を策定し、学校、道路管理者、警察、市町村、PTA、地域の区長会などと連携した実効性のある対策が図られてきており、通学路の整備は進んでおります。しかしながら、要望により現場の危険性を把握しているものの、同じ学区内でより危険性の高い場所がほかにも複数あると、優先順位をつけ、対応には差が出たり、さらには、抜本的な対策が必要でありながらも長い年月がかかってしまうものもあり、対応が難しく、整備が行き届かない場所も出てまいります。危険箇所の大半は対策済みだとしておりますが、八街市の事故を考えると、現場の実態を必ずしも反映していない状況にあるとも言えます。今回の点検では、そこをきっちりと深掘りして、ワンランク上の支援策をしようと国が踏み込んでおります。  子供たちが巻き込まれる事故、それが登下校中であり、通学路である場合、社会に与える影響は大変大きく、道路管理者に求められる責任の可否も当然厳しくなります。子供たちが一日の大半を過ごす学校、毎日通る通学路、通学時における子供の命、安全を守ることは、最重要課題です。子供たちが安全に安心して通える通学路の整備をさらに力強く進めていただきたいと願います。  そこで、お伺いいたします。  まず初めに、原山教育長にお伺いいたします。  平成24年度に実施された通学路緊急合同点検により、通学路の安全対策と整備が推進されてきましたが、県教育委員会として現状をどう評価しておられるのでしょうか。また、千葉県八街市の事故を受け、文部科学省、国土交通省、警察庁の3省庁から合同点検の実施や実効性のある安全対策を進めるよう通達がありましたが、市町村教育委員会へはどのような依頼がなされているのでしょうか。さらに、今後、防犯、防災の視点も含めた安全、安心な通学路の整備や対策をどうお考えでしょうか。  2点目は、田下建設部長にお伺いいたします。  平成24年度の通学路緊急合同点検に基づき、これまでに大変多くの要望が県建設部になされています。10年が経過しようとしておりますが、対策の実施状況はどうでしょうか。未対策箇所があるとすればどのような事情によるものが多いのか、また、未対策箇所に対する今後の整備の見通しはどうでしょうか。  3点目は、中坪県民文化部長にお伺いいたします。  国は、新たにゾーン30プラス、最高速度30キロメートル毎時の区域規制と物理的デバイスとの適切な組み合わせなどにより交通安全の向上を図る踏み込んだ取組を進める考えを示しております。このような新たな対策を含め、確実に、そして迅速に通学路の危険箇所を改善していくために、今後県としてどのように進めていくのか、お伺いいたします。  4点目は、田下建設部長にお伺いいたします。  現在、県内市町村においては、それぞれの実情に合わせた通学路の合同点検が実施されております。長野県は77市町村から成り、多くの改善要望が県に寄せられることが予測されます。数多くの対策必要箇所を確実に実施していくためには、何よりも十分な予算が必要になります。県も市町村も、台風や大雨による災害、新型コロナウイルス感染症対策等により、大変厳しい財政状況下にございます。国は、点検を促し、ワンランク上の支援を打ち出したのなら、同時に、県や市町村が一つでも多くの対策必要箇所を確実に迅速に改善できるように財政措置も考えていくべきです。市町村から財政措置を含めた支援を求める声もありますが、県としてどのような支援が考えられるのか、お伺いいたします。  続いては、新型コロナウイルス出口戦略についてです。  まず最初は、ワクチン接種率についてです。  8月末現在の2回目のワクチン接種率は、全国トータルで約5割で、9月末には6割を超える状況のようです。ちなみに、65歳以上の高齢者は、8割を超える方が2回の接種を終えているとのことです。長野県においては、9月27日現在において、1回目の接種率は77%、2回目の接種率は63.6%となっており、特に高齢者の皆様においては90.9%の方が2回の接種を終えている状況です。  長野県では、信州方式により、県、市町村、医療機関等が一体となり、オール信州でワクチン接種を進めておりますが、2回目接種率を10月末までに80%以上に、希望する全員への接種を11月上旬までに終えるよう目標を前倒ししたところでございます。  そこで、福田健康福祉部長にお伺いいたします。  まず1点目です。現在のワクチン接種率の年代別の状況と、最終的に人口の少ない市町村が早く終わり、人口の多い市が遅くなると思いますが、希望者全員の接種完了がいつ頃になり、どれくらいの人数と接種率を見込んでいるのでしょうか。これは、出口戦略、アフターコロナの経済復旧のスピード、ロードマップにも影響が出てまいります。  また、大きな市ではいまだにワクチンが不足しているとの声も聞きますが、今後、希望する全員への接種完了を目標とする11月上旬に向けて、ワクチン確保がどのように計画されているのかをお伺いいたします。  続いては、アフターコロナを見据えた経済対策についてです。  今後、長野県として、国の方針に従いながら具体的に経済活動を再開させるための手順をどのように考えていくのか、大変重要な時期になってまいりました。行動制限の緩和策について、政府は、ワクチンの接種証明、陰性証明などを活用することで、緊急事態宣言やまん延防止措置の対象地域でも、酒類の提供や都道府県をまたぐ移動、飲食、イベントなどを認める方向で検討しており、政府は、10月にも緩和策の実証実験を始める方針を示しています。  また、政府は、ワクチン接種情報をオンラインで証明する仕組みを公開し、スマートフォンのアプリ上で申請すれば直ちに発行される接種証明書を年内に使えるようデジタル庁と検討しております。デジタル庁では、システムの構築を開始しており、飲食店の予約サイトで活用できたり、民間企業がこのようなシステムを活用すれば接種済み証や接種済みの人を確認できるようになり、仕様案を公開し、事業者、個人からの意見を募るとのことです。  例えば、先日佐久市で開催予定だったアニエラフェスタ、2019年度で5,000人規模の大きなイベントでしたが、協力金という県の大きな御決断により、本年度の開催は中止との英断が佐久市でもできました。しかしながら、来年度以降どうしたらよいのかを考えたとき、県内では大きなイベントも控えており、こうした仕組みを構築し、コロナと上手に共存しながらイベントを開催できるよう、市町村や民間の後押しを考えておく必要がございます。  大阪府では、政府と協議して、大阪府のゴールドステッカーを取得した飲食店とライブハウスで実証実験を実施する予定です。コロナとどうやったら共存していけるのか検証する意味で飲食店に参加してもらうことと、今、人が集まってライブを楽しむことができないので、実証実験ができないかと、吉村知事は政府と協議中とのことです。行動制限を緩和する場合、同時にロックダウンの仕組みの導入について国に求めていく方針とのことです。  過日、ある旅行会社において企画したツアーの売上げが伸びている事例が紹介されておりました。ワクチン2回接種済みツアー、北海道の知床や釧路湿原が出てまいりました。要するに、3密を避け、屋外であり、ゆとりを持ったツアーであり、ワクチン接種が済んでいる安心感から売上げが伸びているとのことです。  観光立県の長野県において、ワクチンの接種証明や陰性証明があること、さらに信州の安心なお店認証制度も活用して、アフターコロナを見据えた観光業、飲食業、宿泊業、旅行業、タクシー等の経済復興を長野県として政府と協議しながらどのように進めていくのかを考えておかなければなりません。Go To トラベル、Go To イートを具体化して、ワクチンの接種証明や陰性証明がある場合の特典を考えて、長野県として補助制度を設けることを検討してみてもよいのではないでしょうか。  売上げがないところにきてサービスをつけることは、赤字を一時的に増やすことにつながりますが、お客様を呼び戻すための先行投資をやっている事例も紹介されておりました。受入れ側にも、利用者側にも、接種証明、陰性証明があれば、最初のある一定期間だけかかった経費の一部を補助することがあってもよいかと考えます。特典があれば若い世代の接種率の向上も考えられますし、長野県は今は休業補償に予算を計上しておりますが、次はアフターコロナの経済復興、成長のための予算計上を、ワクチン接種が一定割合までいくことを見越して今から政策を考えておく必要があります。  当然、現段階での病床使用率、重症者数、感染者数等がどこまで改善したかが前提になることも確かです。その正常化は一気に進むのではなく、接種状況等を見ながら段階的に制限を緩和していくことになるかと思いますが、コロナの後、どのように長野県の未来を切り開いていくのかが県の今後の大きなお仕事になるかと存じます。  そこで、林産業労働部長にお伺いいたします。  県は、コロナ後の経済をどのように動かしていこうと考えているのでしょうか。また、アフターコロナの経済復興、長野を成長させるための政策や施策についてはどうお考えでしょうか。  続いては、阿部知事にお伺いいたします。  現段階では、特別措置法の改正で、緊急事態宣言の発動で休業・時短要請に従わなかった場合、知事は要請に係る措置を講ずべきことを命ずることができますが、行動宣言の緩和策を進める場合、ロックダウン的なことが必要だとおっしゃる知事もおられます。この夏も、観光地では県外からの往来が多くありました。また、知事自ら軽井沢駅等において街頭啓発も行っていただきました。特別措置法には欠陥があり、長野県外からの往来を長野県知事が止めることは何もできません。ロックダウンしなければベストですが、第5波デルタ株のように株がどんどん変異しており、しょうけつを極めている中で、想定を超える感染が拡大した場合に備えて、今後法整備の検討も必要かと考えます。  また、19都道府県に発令中の緊急事態宣言と8県に適用中のまん延防止等重点措置が、本日30日をもって全て解除されます。一気に人の往来が激しくなるのではと懸念されます。阿部知事のお考えと、全国知事会ではどういう方向性が出ており、国に対してどのように働きかけていくのか、お伺いいたします。  続いては、今後の対策についてです。  過日、信濃毎日新聞に、厚生労働省が、9月17日、新型コロナウイルスワクチンの3回目の追加接種を実施する方針を決定した。接種時期は2回目完了から8か月以降を目安として、さらに情報を集めて検討との記事が掲載されました。8か月を目安と考えると、最初に接種した医療従事者の皆様は年内、早く接種をした65歳以上の高齢者の皆様は来年の早い時期に3回目の接種を検討することになります。また、現在は同じメーカーのものを2回接種することで高い有効性、エビデンスが保たれておりますが、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカの交差接種もワクチン確保数量の問題で検討中であり、そのエビデンスについては懸念されるところでございます。  感染症対策、ワクチン接種、経済対策はセットです。そこで、福田健康福祉部長にお伺いいたします。  まず1点目です。国で検討している3回目接種や交差接種について県としてどのように対応していくのか、お伺いいたします。  さらに、経済活動の再開に伴い、感染拡大も予想されるところであり、ワクチン接種はもちろんのこと、検査や医療体制の確保により安心して医療を受けることのできる準備が必要かと考えますが、県の御所見をお伺いいたします。  続いては、渓流のていをなさない危険箇所に対する土砂災害防止対策についてです。  いわゆる土砂災害防止法は、平成11年の広島土砂災害を契機に、平成12年に成立、公布された法律です。その後、幾度かの改正を経て、全国30万か所の土砂災害警戒区域、いわゆるイエローゾーン、17万か所の土砂災害特別警戒区域、レッドゾーンが指定されております。  今回の8月豪雨において岡谷市川岸地区で発生した土砂災害では、3名の方の貴い命が犠牲になってしまい、いたたまれない事故でございました。今回のように高速道路下の通路が土石流の流下経路となるのは非常に珍しく、また、通常の渓流に比べて山側の状況が十分認識されにくい現実があるともお聞きいたしました。  そこで、こうした事実を踏まえ、田下建設部長にお伺いいたします。  まず1点目です。長野県には土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域が何か所あり、どのような対策や対応がなされているのでしょうか。また、度重なる災害により見直しが必要な場所はあるのでしょうか。  2点目は、高速道路や国道などの幹線道路において、通路等のボックスカルバートがあるような箇所をどのように考慮して土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域を抽出しているのでしょうか。  3点目は、長野県は山間地であり、特に土砂災害については、山は崩れることを意識しておかなければなりません。見過ごされがちな地形に潜む潜在的なリスクに対して、住民の皆様への周知を含めてどのように再発防止策を講じていこうとお考えでしょうか。  続いては、盛土に関する規制、許可に関する今後の動向についてです。  7月に発生した熱海市の土砂災害においては、渓流上部での不法な盛土が被害を拡大した一因ともされています。また、8月の大津市で発生した土砂災害も、国道161号の上部に無許可にて盛土されたものが土石流となったものとされています。盛土は、宅地や林地などの場所や、その目的、また規模によって適用される法律が異なります。赤羽国土交通相は、会見で、制度のはざまになっている例や法律の穴がないかも含めて、関係省庁と合同で全国の盛土の総点検をする方向で考えないといけないという問題意識を持っていると述べたと報道されました。  そこで、田下建設部長にお伺いいたします。  今年7月の熱海市や8月の大津市の不法に盛土されたものが原因と見られる土砂災害の発生を受け、国は盛土の総点検を都道府県に指示しました。盛土に関する規制等は各部局にまたがりますが、長野県における現在の対応状況及び今後の見通しについてお伺いいたします。  なお、答弁で重複している部分は割愛していただいて結構でございます。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)通学路の安全対策についてのお尋ねでございます。  平成24年度の緊急合同点検を契機といたしまして、市町村教育委員会が中心となり、学校、PTA、地元警察署、道路管理者等の関係機関による推進体制が構築され、通学路交通安全プログラムが県内の全市町村において策定されました。この仕組みにより、定期的な合同点検が行われ、示された観点に基づく実効性のある取組が進められてきたものというふうに評価しております。  今回の合同点検は、そうした従来の観点に加えまして、八街市の事故を教訓とした新たな観点により合同点検を行い、効果的な対策を講じることとされておりまして、今まで以上に安全が確保されるものというふうに受け止めております。市町村教育委員会に対しましては、県教育委員会から、この新たな観点を加え、地域の実情を踏まえた効果的な対策とすること、また、通学路の変更やボランティア等による見守り活動などのソフト対策も含めて検討し、可能なものから速やかに実施することなどを依頼したところでございます。  通学路の設定や安全対策の実施に当たりましては、従来から、交通安全の視点だけでなく、誘拐や傷害などの防犯の視点や、土砂崩れや河川の氾濫などの防災の視点も考慮してきているところでございます。県教育委員会としても、今回の合同点検を踏まえ、長野県交通安全運動推進本部を中心に、市町村教育委員会と連携しながら、子供たちの安全、安心な通学路を総合的な観点から確保できるよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。       〔建設部長田下昌志君登壇〕 ◎建設部長(田下昌志 君)6点御質問をいただきました。  初めに、平成24年度の通学路緊急合同点検の実施状況についてのお尋ねでございます。  県が管理する国県道におきまして、この点検で道路管理者が交通安全対策を行う箇所は546か所ございまして、このうち93%に当たる509か所の対策が完了しております。残りの37か所につきましても全て着手しているところでございまして、令和4年度中の完了を目指し、用地買収及び工事を進めてまいります。  次に、対策必要箇所における市町村への県の支援についてのお尋ねでございます。  歩道整備等の交通安全事業への国の財政支援措置として従来からの交付金制度がございますが、令和2年度には、一定の区域において交通安全対策を集中的に支援する補助制度が新たに創設されたところでございます。この補助制度は、本年度から始まった生活道路における人優先の安全、安心な通行空間を確保するゾーン30プラスへも活用が可能となっております。  県としましては、市町村が国の財政措置を最大限活用し、効果的かつ効率的に対策が進められるよう、計画策定段階から完了まで、市町村からの相談にきめ細やかに応じ、助言等による技術的支援を行うとともに、補助事業等について国との調整を図ってまいります。  次に、土砂災害警戒区域の対策と区域の見直しについてのお尋ねでございます。  県内に、土砂災害警戒区域は2万7,104か所、特別警戒区域は2万1,409か所指定されております。土砂災害警戒区域に指定されますと、当該区域ごとに危険な箇所であることの周知や警戒避難体制の整備が市町村の責務となります。また、土砂災害特別警戒区域では、住宅分譲などの特定の開発行為に対する許可制や土砂災害に対して安全な構造とする建築確認制度が適用されます。さらに、施設整備につきましては、保全対象の重要性や緊急性等を考慮して順次実施しているところでございます。  また、土砂災害警戒区域等の見直しにつきましては、1巡目の調査結果からの土地の改変や災害の発生等の現地状況の変化に応じて2巡目の調査を実施し、指定範囲の追加、変更を行っているところでございます。  次に、ボックスカルバートがある箇所の土砂災害警戒区域等の抽出についてのお尋ねでございます。  土砂災害警戒区域等の指定については、土石流の流下する範囲にボックスカルバートがある場合は、土石流がボックスカルバートを越流もしくは通過することを勘案した上で氾濫する範囲を設定しているところでございます。  次に、見過ごされがちな地形における潜在的なリスクの住民への周知についてのお尋ねでございます。  見過ごされがちな地形も含め、土砂災害はどこでいつ発生するかが分かりにくいことから、ふだんから御自分のお住まいがどのような場所にあるのかハザードマップを確認するとともに、豪雨時には土砂災害警戒情報や市町村の避難に関する情報を基に早めに避難していただくことなどを徹底することが重要と認識しております。  さらに、警戒避難の実効性を高めるためには、土砂災害を我が事として捉えることが大切であることから、市町村と連携し、住民の皆様が参加し作成する地区防災マップの作成支援を積極的に行ってまいります。  今後も、危機管理部と連携しながら、災害リスク情報の住民への周知徹底に取り組んでまいります。  最後に、盛土等に関する規制の対応状況と今後の見通しについてのお尋ねでございます。  本年7月の熱海市での盛土に起因する土砂災害を踏まえ、県では、市町村と連携し、盛土の流出により土砂災害が発生するおそれのある箇所を696か所抽出し、688か所について目視による緊急点検を実施しました。  さらに、8月11日には、国から盛土による災害防止に向けた総点検の実施について依頼があり、これまで実施してきた緊急点検箇所にさらに約400か所を追加して点検を進めているところでございます。  盛土については、議員御指摘のとおり、建設部、環境部、林務部、農政部と多くの部局にまたがる案件でございまして、綿密な連携が欠かせないため、県独自に行った緊急点検や国から依頼のあった点検についても、建設部が中心となり、各部と連携して対応しているところでございます。引き続き関係部局と連携し、これらの点検結果を基に、盛土を起因とする災害を防止するための対応策について条例の制定も視野に入れて検討してまいります。  以上でございます。       〔県民文化部長中坪成海君登壇〕 ◎県民文化部長(中坪成海 君)通学路の安全対策を今後どのように進めていくかとのお尋ねでございます。  千葉県八街市の事故を受けまして、現在、市町村においては、通学路の合同点検が進められております。このうち、対策が必要な箇所につきましては、10月末を目途に対策案を検討いただくよう依頼しております。市町村における検討に当たりましては、例えば、速度抑制区域と路面段差を組み合わせるなどの新たな対策の活用を含めまして、建設事務所、また地元警察署において技術的な援助を行ってまいります。  対策案取りまとめ後の11月中旬を目途に、長野県交通安全運動推進本部におきまして、ハード、ソフト両面からの通学路の安全確保に関する方針を作成する予定であります。この方針に基づく対策必要箇所につきましては、国の財政措置等を踏まえつつ、速やかに必要な安全対策を実施いたしまして、通学路における児童の安全を確保してまいります。  以上でございます。       〔健康福祉部長福田雄一君登壇〕 ◎健康福祉部長(福田雄一 君)私には、新型コロナウイルス出口戦略に関して何点か御質問いただいております。  まず、ワクチンの年代別接種率などについての御質問でございます。  直近の年代別の1回目のワクチン接種率について申し上げますと、9月27日時点の県内のワクチンの接種率の状況につきましては、10代の接種率が35%、20代、30代が54%、続いて40代、50代が75%、60代以上が92%となっております。  続いて、県内全体の接種率につきましては、対象人口約183万人に対して、1回目接種率が77%、2回目接種率が64%という状況でございます。  県では、希望する方全てのワクチン接種を11月上旬に終了させるという方向性について市町村と合意しておりまして、8割を超える約146万人以上の方の接種完了を見込んでおります。  次に、ワクチン確保の計画についてでございます。  県内へのコロナワクチンの供給状況について申し上げますと、ファイザーワクチンとモデルナワクチンを合わせ、今週中にも対象人口のおよそ9割に当たる約163万人分が供給される見込みでございます。  ただし、本県は市町村の数が多く、人口規模の小さな町村に比べて大きな市への供給が若干遅れている状況があることから、接種完了を迎えた余剰が見込まれる市町村から不足している市町村にバイアル単位で融通しております。その上で、高い接種率を想定している市町村も数多くありますことから、市町村には引き続きワクチンの必要量を丁寧に聞き取りまして、11月上旬には希望する全ての方に対するワクチン接種を完了するために、必要なワクチンの量を国に要望してまいります。  次に、今後の対策として、ワクチンの3回目接種及び交差接種についての御質問をいただいております。  9月17日、厚生労働省の予防接種・ワクチン分科会において、国内外の感染動向やワクチン効果の持続期間などを踏まえて追加接種の必要があるとし、追加接種の時期については2回接種完了からおおむね8か月以上後といたしました。このときの国の説明によりますと、2月から始まった医療従事者については、2回目接種の完了がおおむね3月となることから、8か月以上経過した12月以降とされているところでございます。この場合の使用するワクチンでございますが、1回目、2回目に接種したワクチンと同一のワクチンを接種することを基本としております。  次に、1回目と2回目で種類の違うワクチンを接種する交差接種につきましては、1回目にファイザーやモデルナなどメッセンジャーRNAワクチンを接種した後に重い副反応が出た人などが一定の要件の下で可能とすることなど、今後、国から具体的な方針が示される予定でございます。県では、国の方針も踏まえて、市町村における円滑なワクチン接種が行われるように体制を整備するとともに、県民への分かりやすい情報提供に努めてまいります。  次に、安心して医療を受けることのできる準備が必要ではないかという趣旨の御質問をいただきました。  検査につきましては、これまで、診療・検査医療機関の指定、外来・検査センターの設置、医療機関等の検査機器購入費用の助成、行政検査を受託できる医療機関や民間検査機関と委託契約締結など、体制の充実に努めてまいりました。6月に長野県新型コロナウイルス感染症PCR検査等実施方針を策定し、幅広い検査を戦略的に実施しております。  医療体制の確保につきましては、新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れる病床の増床を順次進め、現在では529床まで拡大しているほか、これとは別に、緊急的に患者を受け入れる病床も79床確保しているところでございます。  さらに、振り分け診察の徹底による要入院者の適切な判定、抗体カクテル療法やネーザルハイフロー等を活用した重症化予防の推進など、医療機関の皆様と協力しながら医療の質を高めることにも努めております。  今後は、さらなる大きな波の到来に備えまして、医療関係者の御協力を得ながら、最悪の事態も想定した緊急時の医療体制を検討してまいります。  以上でございます。
          〔産業政策監兼産業労働部長林宏行君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(林宏行 君)私には、アフターコロナの経済復興、成長させるための政策や施策についてお尋ねをいただきました。  コロナ禍における厳しい環境下にある事業者に対しては、これまでも資金繰り支援や各種支援金等により経営の下支えを行ってきたところですが、今後は、議員御指摘のように、感染状況を踏まえながら需要の回復など経済再生に取り組む必要があります。  まずは、クーポン券の発行等による消費喚起策を切れ目なく講じるとともに、国のワクチン・検査パッケージによる行動制限の緩和の検討を踏まえ、感染防止と経済活動の両立を目指した活性化策等の検討を進めてまいります。  また、需要の変化、パラダイムシフトへの対応も重要となります。新分野開拓や業態転換、事業再編など思い切った取組を支援する国の中小企業等事業再構築促進事業に県独自の上乗せ支援を行っておりますプラス補助金につきまして、今年度既に400者が採択され、例えば、宿泊業のアウトドア分野への展開やキッチンカー導入による出張販売、あるいはECサイトの構築など、新たな誘客に向けた取組も進んでおります。  さらに、今後、ポストコロナにおける成長戦略の中心となりますデジタルやグリーン分野におけるイノベーション創出を加速させるべく、信州ITバレー構想や産学官連携による技術開発等の支援も進めております。  他方、成長を支える人材の育成確保も大変重要となります。リカレント教育の充実や労働移動のマッチング支援などにも取り組んでいきたいと考えております。  こうした中、来春には、県中小企業振興センターとテクノ財団が統合し、創業から技術開発、販路開拓、事業承継等まで一貫して経営支援を行う長野県産業振興機構がスタートいたします。本県経済がコロナから回復し、力強い産業と活力ある長野県をつくっていけるよう、新財団とも連携して取り組んでまいります。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には、ロックダウン的な対応に関する法整備の検討についての必要性、それから知事会での方向性、国にどう働きかけるのかという御質問をいただきました。  先ほど西沢議員の御質問にお答えしたとおり、県民の皆様方の命と暮らし、産業を守っていく上では、もちろん産業再生に向けた様々な取組ということも必要でありますが、次の大きな波に備えていく、次の大きな波が起こらないようにしていくということが大変重要だというふうに考えています。  今回の第5波は、長野県においては、特に初期段階は、大都市部をはじめとする感染拡大地域との往来から陽性者が増え始めてきているという状況であります。これは、御質問にもありましたように、県の取組だけではなかなか全国的な人の移動を抑えることは難しいというふうに思っております。法制度の裏打ちがある実効性ある取組が必要だというふうに考えておりまして、そういう観点で知事会の場でも発言をさせていただきましたし、考え方については先ほど申し上げたとおりでございます。  今の現行法制で定められたことだけを視野に入れて取り組むのではなく、やはりありとあらゆる手段を国民のためにもしっかり考えておく必要があるというふうに考えております。そういう観点で知事会でも発言させていただき、例えば、今月取りまとめられた緊急提言の中では、今後の全国的な感染爆発への備えとして、「エリア限定」、「短期間」、「より強い措置」を合い言葉に、いわゆる「ロックダウン」のような、徹底した人流抑制策について、国の責任の下で、特措法・旅館業法等の必要な法整備を早急に検討すること。あるいは、例えばロードプライシングなどあらゆる思い切った措置も含め、速やかに検討することという文章が入れられているところでございます。  これは、国でしか法律改正はできないわけでありますので、ぜひしっかり検討いただき、対応していただきたいというふうに思います。全国知事会も、鳥取の平井知事が新たに会長になって知事会の体制も刷新されたところでございますので、引き続き47都道府県知事が結束して国に対して必要な検討と具体的な措置を求めていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔17番竹花美幸君登壇〕 ◆17番(竹花美幸 君)御答弁いただきました。  成長なくして分配なし。しかし、分配なくして次の消費、需要も喚起されない。分配なくして次の成長もない。自民党、岸田新総裁のお言葉です。  引き続き、長野県を成長させるためにしっかりとお取り組みいただきたいことをお願い申し上げ、私の一般質問は以上で終了させていただきます。ありがとう存じました。 ○副議長(清水純子 君)次に、熊谷元尋議員。       〔1番熊谷元尋君登壇〕 ◆1番(熊谷元尋 君)熊谷元尋です。  初めに、抗原簡易キットの配布事業についてです。  県では、抗原簡易キットを活用した陽性者の早期発見促進事業を実施するための予算額1億6,400万円余を専決処分しました。しかし、専決処分しなければならないほど特に緊急性があり、定例会まで待てない案件でしょうか。また、専決処分とすることで議会での議論がなくなり、結果として県民への説明が不足するといった指摘もあります。専決処分とした理由と説明不足の指摘に対する見解を阿部知事にお伺いします。  専決処分は、災害復旧のための応急措置など、急を要し、議会を招集する時間的余裕がない場合など特定の要件の下に行われるものと理解しています。令和3年度のコロナ対策のための予算は2,254億円余で、そのうち専決予算は198億円余と伺います。コロナ対策の予算で財源は国費となれば、大きな問題もなく、議会に専決処分の報告をすればよいということでしょうか。県と市町村を比べれば、財政規模や金額の桁は違いますが、8月30日付の専決予算112億円余は、町村の年間予算以上の金額です。基本は議会の議決だと思いますが、県の専決処分に対する考え方を玉井総務部長にお伺いします。  さて、県の抗原簡易キット配布事業は、既に神奈川県で実施されていますが、長野県の場合は、県事業とはいいながら、実質的には市町村の事業になっていて、ワクチン接種等コロナ対応に忙しい市町村の事務の負担になっていないでしょうか。県が事業目的とする陽性者を早期に発見し、感染拡大の防止を図ることは必要ですが、このことは全県的な取組が必要であり、神奈川県のように県事業として県の責任で実施すべきではないでしょうか。  今回のように、市町村に必要なキット数を聞き、配布するのであれば、事業の目的は単にキットの配布だと思います。そして、市町村で本当にキットの配布が必要であれば、飯田市のように自分たちで考えるのではないでしょうか。  また、市町村のキット配布には県と同じように国費を充てることも可能で、財源がないのでできないという理由にはなりません。市町村からキットを配布したいが財源がないので県にお願いしますという要望があったのでしょうか。  次に、健康福祉委員会で配付された資料の中で、事業内容の(1)要件に、①配布事業の対象者は、レベル5以上の地域に住む県民のうち云々とあります。レベルは感染状況等で変動しますが、いつの時点のレベル5でしょうか。  また、キットを配布する目的は、キットを活用して陽性者を早期に発見することです。早期に発見してレベル4、レベル5にしないことが大切で、レベルに関係なく、平常時から、発熱等異変があればキットを活用し、早期発見につなげることが本事業の目的にかなうと考えますが、なぜレベル5以上でしょうか。  また、②軽微な症状があるなど医療機関受診に迷う場合には使用するよう周知すること。③正しく検査を行うよう説明すること。④陽性者判明時には医療機関の受診を促すことと記載があります。本事業が県の事業であれば県が行うべきであり、市町村が行うのであれば、委託費を払い、県からの委託事業とするなどの配慮が必要と考えますが、いかがでしょうか。  また、(2)の配布数は、9月末時点におけるワクチン未接種人口の1割掛ける2個となっていますが、この算出方法であれば、市町村に数量を聞く必要はなく、9月末時点を例えば8月末時点にして全市町村に対して機械的に配布すればよいと思います。9月末とした理由及び配布した市町村数と数量をお伺いします。  また、9月末時点としながら、既に簡易キットは市町村に配布されています。簡易キットが届いた市町村にどのような方法で配布するのかお聞きしたところ、担当者からは、それが問題で、今考えているところです。あるいは、住民全員に配るだけの量もないので、ワクチン未接種の方を対象にしようかと、戸惑いぎみにおっしゃっていました。そして、簡易キットの利用が有症状者など、使い勝手が悪いことを県に伝えてほしいと言われました。見解をお伺いします。  次に、神奈川県では、事業実施に当たり、個人利用者の義務、個人情報の保護等を定めた神奈川県抗原検査キット配送事業利用規約などを策定しています。本事業において、万が一トラブルが発生したときの責任の所在は県でしょうか、それとも市町村でしょうか。また、長野県として規約等は必要ないのでしょうか。  次に、簡易キットを配布し、早期に陽性者を発見することは必要としても、検査の精度面等を考慮すれば、今後、例えば発熱外来の診察をしている開業医、かかりつけ医等でPCR検査や抗原検査ができるよう検査体制の拡充を検討することが必要と考えますが、いかがでしょうか。以上、福田健康福祉部長にお伺いします。  次に、ワクチンの早期接種についてです。  県では、ワクチン接種に関して、早期接種対象職種を例示し、市町村に協力を求めました。ある自治体では、保育士や教職員を早期接種の対象者に加えたそうですが、例えば、住民票のある自治体に職場がある場合や、住民票はあっても職場は他の自治体という場合には、住民票のある自治体で対応は容易にできたそうです。しかし、住民票が他の自治体にある場合は、接種券が必要になったそうです。保育士は、比較的近隣で採用されていますが、学校の先生は離れた自治体から赴任している場合もあり、自治体によって接種券の交付対象者や交付時期に違いがあり、接種券を交付してもらう手続に苦労したそうです。  県は単に例を示して、後は市町村にお願いしますではなく、市町村に対して早期接種の必要性を説明するとともに、ある程度統一して実施するなど、もう少し県として明確な意思表示があったほうがよかった。あるいは、市町村の中には、接種者に対して接種の日時を指定して接種券を交付していたため、早期接種に協力したくてもタイミングが合わなかった。もっと事前の調整が必要であったという意見もあります。市町村の早期接種への対応状況と見解を福田健康福祉部長にお伺いします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)抗原検査キットの配布事業について専決処分をした理由は何か、説明不足になるのではないかという指摘についての考え方という御質問でございます。  抗原簡易キットを活用して陽性者を早期に発見して感染拡大防止につなげていこうということについては、これはかねてから検討していたところでありまして、本来であればこの9月県議会に補正予算として提案させていただき、御審議いただこうということで準備をしていたところでございます。  しかしながら、御承知のとおり、この8月、特にお盆明けに、デルタ株の影響もあって、非常に急速に陽性者が増加いたしました。今は非常に落ち着いた状況になっておりますけれども、振り返っていただければ、8月20日に医療非常事態宣言、それから全県レベルを5に引上げさせていただきました。その後、この専決処分をさせていただいたのが8月30日でありますけれども、この20日から30日の期間には、本県で1日当たりの新規陽性者数が100名を超えるという日も続いていた状況でありますし、また、30日の段階で、私どもとしてはこの感染拡大をしっかり食い止めようということで、集中対策期間を設けて、市町村の皆さんをはじめ多くの県民の皆様方と一緒になってこの感染拡大を封じ込めようということで取り組んだところであります。  率直に申し上げて、この期間中にまん延防止等重点措置の適用を国に求めるかどうかということについても庁内で真剣な議論を繰り返していたところであります。そうしたことから、この危機的局面を乗り越えるためにはもっと抜本的な対策の強化が必要だということで、今申し上げたような集中対策期間医療非常事態宣言と併せて対策を進めていこうということで、この予算の専決処分を行わせていただいたところでございます。6か所目の宿泊療養施設と併せて専決処分をさせていただいたところでございます。  御指摘のとおり、予算は、原則的には県議会で御審議をいただき、御議決いただくということが私も大変重要だというふうに思っておりますけれども、しかしながら、これはもう待ったなしで県民の皆様方の命を救わなければいけないと、そういう状況でございましたので、9月県議会への提案を待っていると時期を逸するものと判断し、専決処分をさせていただいたところでございます。  専決処分につきましては、県議会に御報告をさせていただき、説明をさせていただきます。こうした状況、こうした経過でございますので、ぜひ議員の皆様方の御理解をいただきたいというふうに思っております。  以上です。       〔総務部長玉井直君登壇〕 ◎総務部長(玉井直 君)専決処分に対する考え方についての御質問でございます。  予算については、県民に対する説明責任を果たすためにも、ただいま知事が申し上げたとおり、県議会で御議決をいただくことが基本であるということで、専決処分はあくまでも例外的な措置であるというふうに認識しております。  専決処分をすることができる特別な場合として、地方自治法に基づき、特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がない場合や、財源を全額国庫支出金に求める予算の補正など、議会の議決により特に指定をいただいている事項などが認められているところでございますが、専決処分に当たっては、その時々の社会経済情勢等も踏まえ、その必要性等を慎重に判断し、引き続き適切な対応に努めてまいる所存でございます。  以上でございます。       〔健康福祉部長福田雄一君登壇〕 ◎健康福祉部長(福田雄一 君)抗原簡易キットの配布事業について御質問を頂戴しております。順次お答えを申し上げます。  まず、県の事業として県が責任を持って実施すべきではないかとの御質問でございます。  この事業につきましては、地域の感染状況等に応じて市町村が柔軟に取り組めるように、事業を実施する市町村に対して県が抗原簡易キットを配布するという事業形態を採用いたしました。事業内容につきましては、市長会、町村会との意見交換会であらかじめ説明をさせていただき、御協力と連携をお願いしたところでございます。幾つかの市町村からは、こうした取組の必要性について御要望をいただき、また、独自で取り組まれているところもございます。市町村の皆様には大変な御負担をおかけしていると思いますけれども、必要な点は御相談させていただきながら、県と一緒になって取り組んでいただきたいと考えているところでございます。  それから、市町村からの支援の要望があったかという御質問でございます。  市町村独自で抗原簡易キット等の配布やPCR検査事業を実施したいという御相談だけでなく、キットの調達やその財政的な負担を含め、県からの支援を求めるという御要望、御意見は、これまでも幾度かお受けしてきたところでございます。  県が調達し、市町村の財政負担をできるだけ小さくすることで、より多くの市町村にこの事業を実施していただくためにこういう制度設計を行ったところでございます。  それから、レベル5以上の地域に住む県民を対象にすることについてのお尋ねでございます。  この事業に関しては、蔓延状況にある地域において陽性者を早期発見する必要性が高いということから、感染警戒レベル5以上の地域を対象にすることといたしました。今回は、全県の感染警戒レベルが5という状況において実施いたしました。市町村には速やかに対象者に配布していただくようにお願いをしているものでございます。  今後も、今回と同じような感染状況となる可能性もあることから、この事業を含めて適切な対策を速やかに実施してまいりたいと考えております。  それから、委託事業として実施する必要があったのではないかとの御質問もございました。  コロナ対策は、県だけではなく、市町村をはじめ様々な機関の御理解と御協力の下、連携して実施していく必要があると考えております。感染症法におきましても、感染症対策が総合的かつ迅速に実施されるよう、国及び地方公共団体の相互の連携を求めているところでございます。  先ほども申し上げましたとおり、地域の感染状況に応じて市町村が柔軟に取り組めるように事業を実施する市町村を県が支援するという形を取っておりますが、ワクチン接種状況でございますとか他地域との往来の状況などは市町村により異なりますので、事業実施を希望する市町村が地域に合った内容で事業を実施していただくことがより効果的ではないかと考えております。  それから、9月末が基準になっているのはなぜかという御質問でございます。  必要数の積算に当たっては、市町村における配布準備期間や実際に使用される時期等を考慮して、9月末の数字を基準として使用したところでございます。  配布数につきましては、基本的には要望どおり配布させていただいておりまして、54市町村に約11万6,000個を配布しております。  それから、検査キットの使い勝手や配布方法についての御質問もございました。  配布個数につきましては、全住民ではなく、希望する方への配布を前提としたものでございます。  また、配布いたしました抗原簡易キットは、厚生労働省が医薬品として承認をしたもので、検査のタイミングや使用方法など適切に使っていただく必要がございます。  メーカーの協力を得まして、使用方法を分かりやすく紹介したチラシの作成、動画の掲載、市町村からの問合せ等に対応しておりますので、これらを活用いただきまして、抗原簡易キットが正しく使用されるようお願いしているところでございます。  それから、県と市町村の責任の所在についての御質問でございます。  調達に関しては県が、また、住民への配布は市町村がそれぞれ責任を持って行うこととなりますけれども、問題が生じないよう、県としても市町村と御相談しながらそのサポートに努めてまいりたいと考えております。  それから、利用規約についてでございますが、規約という形にはしておりませんけれども、抗原簡易キットの使用方法、使用するタイミング、結果の取扱い、医療機関の受診、自己責任の原則、個人情報の取扱いなど、事業実施に当たりまして十分に留意していただきたい事項につきましては、県で説明用チラシの標準様式をお示しいたしまして、配布の際に市町村から対象者に配布し、説明をしていただくこととしているところでございます。  それから、開業医等におけるPCR検査等についての御質問もございました。発熱等の症状がある場合に、かかりつけ医等地域で身近な医療機関で診療や検査が受けられるよう、これまでに診療所を含む589の医療機関を診療・検査医療機関に指定しておりますが、このうち418の医療機関では検査の実施も可能となっております。  なお、抗原簡易キットの配布事業につきましては、少しでも体調が悪い場合にちゅうちょせずにキットを利用していただき、陽性となった場合は医療機関を迅速に受診していただくことを目的としたものでございます。  次に、ワクチンの早期接種についての御質問もいただいております。  市町村の早期接種の実施状況と見解についてということでございますけれども、ワクチンの早期接種につきましては、6月に開催いたしました知事と市長会、町村会との意見交換会の場で、社会基盤の維持や災害時の対応等に欠かせない職種、職務上不特定多数の人と接することが避けられない職種として、教育関係や警察など10職種について実施することとし、7月には県と市町村との役割分担について合意をいただいたところでございます。  7月時点で調査したところ、49の市町村において職種別の早期実施の検討をしていただいておりまして、合意いただいた役割を基に接種計画を定め、接種を進めてきていただいたものと考えております。  現時点においては、希望する県民全ての方を対象としてワクチン接種を進めるフェーズに変わってきております。今後は、特に若年層への接種の推進に向けまして、市町村の御意見を丁寧に伺いながら連携して取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔1番熊谷元尋君登壇〕 ◆1番(熊谷元尋 君)抗原検査簡易キットの配布について、県下77市町村のうち54の市町村に対して11万ほど配布したという説明がありました。この事業に当たっては、市長会や町村会、こういったところへの説明もし、十分理解をいただいているというようなことだというふうに思いますけれども、77のうち54の市町村ということで、23の市町村は配布を受けていないということですので、分かればなぜ23の市町村は配布を受けていないのか、後ほどで結構ですので説明をお願いいたします。  質問を続けます。  次に、中小企業の事業承継についてです。  2020年、全国で企業が休廃業、解散した件数は5万6,103件だそうです。また、県内で休廃業、解散をした企業は1,015件で、休廃業・解散率は3.97%で、前年から0.19%増加しています。全国で休廃業・解散件数が1,000件を超えたのは14の都道府県、前年対比で増加したのは8県で、いずれにも長野県は含まれています。そこで、長野県ではなぜ休廃業、解散が増加したのでしょうか。要因を林産業労働部長にお伺いします。  次に、企業が休廃業や解散を選択する大きな要因の一つに、コロナ禍における厳しい経営環境があると思いますが、経営者に後継者がいないことも要因の一つと考えます。2020年の全国の企業における後継者不在率は65.1%、長野県は66%という調査結果があります。たとえ厳しい経営環境にあっても、後継者がいれば踏ん張る意欲が出てくることも考えられますが、後継者不足の現状をどのように受け止められますか。  また、企業の休廃業、解散が増えることで、長年の経験によって身につけた技術や技能、知識が失われてしまうおそれがあります。さらに、雇用を失う人が出るとともに、長野県のGDPなど地域経済にも影響を及ぼします。  事業承継を喫緊の課題と捉える自治体もありますが、県は事業承継についてどのような問題意識を持っていらっしゃるのでしょうか。県の取組と成果を併せて林産業労働部長にお伺いします。  次に、長野県には、令和3年4月に、それまで主に第三者承継を担った長野県事業引継ぎ支援センターと親族内承継を担った長野県事業承継ネットワーク事務局が統合した長野県事業承継・引継ぎ支援センターが開設されました。この統合により、事業承継に関する相談窓口が一本化され、より円滑な事業承継や引継ぎが推進されることが期待されます。  そこで、1、長野県事業承継・引継ぎ支援センターの統合による効果について、2、長野県事業承継・引継ぎ支援センターにおける親族内承継及び第三者承継に対する相談やマッチング等の支援状況について、3、人材バンクへの登録者数等の状況とマッチングが成立した件数を林産業労働部長にお伺いします。  次に、ある金融機関の担当者は、事業承継の取組には、情報の共有、本気度、スピード感が必要とおっしゃっています。しかし、市町村、特に町村に相談があっても、専門的な知識を持った職員が少ないことに加え、事業承継は複雑かつ立ち入った内容を含むため、行政側と相談者が顔見知りの場合には話しにくいといったことがあるようです。  また、令和元年に、高森町商工会では、事業承継に関するアンケート調査を行いましたが、人員が少なく具体的な行動を起こせていないのが実情のようです。  私は、町村や商工会は、事業承継に限られた人材と時間を無理して投入するのではなく、事業承継の相談があれば、その情報をできるだけ早く長野県事業承継・引継ぎ支援センターや金融機関と共有し、スピード感を持って対応することが必要と考えます。長野県事業承継・引継ぎ支援センターは、県、市町村、商工会議所、商工会などとどのように連携し、成果につなげているのでしょうか。また、事業承継を円滑に進めるための事業承継特別保証制度、経営承継円滑化法等の周知方法と運用状況及び今後の取組について林産業労働部長にお伺いします。 ○副議長(清水純子 君)熊谷議員にお尋ねいたします。ただいまの抗原キットの質問について答弁は必要でしょうか。 ◆1番(熊谷元尋 君)理由が分かれば答弁をお願いします。       〔健康福祉部長福田雄一君登壇〕 ◎健康福祉部長(福田雄一 君)抗原簡易キットの配布事業につきまして、実施をしていない市町村が23ほどあるがその理由はというお尋ねでございます。  市町村の御希望がなかったということでございまして、市町村の御判断によるものでございます。ただ、推測になりますけれども、御希望にならなかった市町村を見てみますと、非常に人口の小規模な町村が多いという印象がございます。千差万別といいますか、市町村ごとに状況がかなり違うというふうに先ほど申し上げましたけれども、こうした小規模の町村におきましては、ワクチンの接種が非常に進んでいるところがかなり多くございます。しかも、実際の新規陽性者の発生もほとんど見られないというようなところも多いわけでございます。そうした場合、御希望される住民の方が少ないのではないか。そういった判断でこの事業の実施を希望されなかった市町村もあるのではないかというふうに考えております。
     以上でございます。       〔産業政策監兼産業労働部長林宏行君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(林宏行 君)中小企業の事業承継について多岐にわたる御質問をいただきました。  初めに、休廃業・解散率の増加の要因についてでございます。  議員から御指摘の民間調査会社がまとめた2020年の本県の休廃業・解散率は、全国の3.8%とほぼ同水準にございます。過去5年間の状況を見ますと、3.7%後半から4%程度で推移しているところでありますが、今後、コロナ禍の影響等も注視してまいりたいというふうに思っております。  また、同社の調査によりますと、長野県の経営者の平均年齢が全国平均に比べて高く、後継者を見つけられないままやむなく休廃業や解散に至るケースも見受けられます。県内産業が一定の新陳代謝の下で、休廃業や解散せずにいかに承継していくかが課題だと受け止めております。  次に、後継者不足の状況と受け止め及び事業承継の問題認識と県の取組状況についてのお尋ねでございます。  中小企業庁の分析によりますと、2025年には、全国で127万社が後継者不足により廃業危機に陥ると推測されています。県内事業者に対する民間調査では、約3分の2が後継者不足と回答しており、また、長野県事業承継ネットワークによる約1万社のヒアリングでも、経営者の55.2%が承継に向けた具体的な準備ができていないとしております。  経済活動の活性化の観点からは開廃業による一定程度の新陳代謝は必要と考えておりますけれども、議員御指摘のように、後継者不足を原因とした廃業により、これまで培われてきた優れた技術力やノウハウ、貴重な経営資源が失われるということは、本県産業にとって大きな損失であると受け止めております。  また、事業承継を円滑に進めるためには、後継者の決定や引き継ぐべき資産の評価、整理などに相当の時間を要することから、できるだけ早期に準備を始めるよう促すことも重要と考えております。このため、平成26年に設立した第三者承継を支援する長野県事業引継ぎセンターに加え、平成30年度に主に親族内承継を支援する長野県事業承継ネットワークを設置し、支援に努めてきたところでございます。  次に、4月に統合された長野県事業承継・引継ぎ支援センターに関して3点お尋ねをいただきました。  まず、統合の効果でございます。  本年4月から総勢13名体制となり、事業承継業務が総合的かつワンストップで対応できるようになった上、業務場所を県中小企業振興センター内に集約したことにより、経営改善や新事業展開を含めた一貫支援が可能となっております。  次に、親族内承継または第三者承継に対する相談やマッチング等の支援状況でございます。  親族内承継については、承継準備などを促す事業承継診断を集中的に実施しており、この3年間で1万3,518件を診断し、そのうち1,856件の事業承継計画の策定を支援いたしました。一方、第三者承継については、これまでに延べ5,438件の相談を受け、そのうちマッチング支援は798件、成約は121件となっております。  次に、後継者人材バンクの登録者数とマッチング成立件数についてでございます。  本年8月末時点における後継者人材バンクの登録者数は、譲渡希望が148件、譲受希望者が170件となっております。なお、これまでの成立件数は6件にとどまっており、第三者である譲受希望者のビジョンとのマッチングの難しさを実感しているところでございます。  次に、市町村、商工会等との連携と事業承継特別保証制度等についてのお尋ねでございます。  初めに、市町村や商工会等との連携ですが、平成30年6月に県、市町村、商工団体、金融機関、税理士会等の136団体が参画する長野県事業承継ネットワークを構築し、身近な相談から専門的な相談までをそれぞれの関係機関につなぐことにより、切れ目のない対応ができるようになっております。  そうした成果として、先ほど議員からも御紹介いただきましたが、例えば、高森町では、商工会が地元金融機関と共に事業存続相談支援センターを開設し、現在、県の事業承継・引継ぎ支援センターとも連携し、若手の創業希望者とのマッチングを行うなど、当事者のみならず、地域が一体となった支援に取り組んでおります。さらにスピード感を持った対応が重要と御指摘をいただいておりますので、さらなる連携強化に努めてまいりたいと存じます。  次に、事業承継特別保証制度等の運用状況、制度の周知についてでございます。  事業承継特別保証制度は、承継時の障害ともなる経営者保証について、県事業承継・引継ぎ支援センターのサポートの下、保証料の軽減や経営者保証を不要にできる制度であり、制度が創設された昨年4月から本年8月までに相談件数55件、保証件数は12件となっております。  また、経営承継円滑化法は、事業承継時に譲り受けた株式の贈与税及び相続税の猶予や免除等を可能とする制度でございます。制度が創設された平成21年度から本年8月までに163件が認定されております。  いずれも、事業承継を円滑に進める上で大変効果的な制度であると考えており、これらの制度につきましては、事業承継ネットワーク会議や支援者向け研修会で周知しているほか、新聞掲載やラジオ放送も活用してPRに努めているところでございます。  最後に、今後の取組でございますが、地域経済を担う経営者の半数以上が具体的な準備ができていない実情を重く受け止め、後継者人材バンクの一層の充実を図るとともに、移住施策や信州スタートアップステーションにおける経営資源引継ぎ型創業支援を活用するなど、総力を挙げて事業承継の推進に取り組んでまいります。  以上でございます。       〔1番熊谷元尋君登壇〕 ◆1番(熊谷元尋 君)中小企業の事業承継をしっかりやっていただくことに加え、いかに企業を倒産させないか、いかにうまく事業を清算するのかということも大切なことだと思います。定例会の一般質問で、県内における企業の開業率が低いという指摘がありましたが、開業率が低くて休廃業、解散が多いということになれば、ダブルパンチです。どうしても事業の休廃業、解散、倒産が発生してしまう一方、新規創業、新規開業をいかに増やすのか、とても大事な取組だというふうに思います。厳しい経営環境にある中小零細企業を県としてしっかりと支えていただくことを期待し、質問を終わります。 ○副議長(清水純子 君)この際、15分間休憩いたします。         午後2時18分休憩          ──────────────────         午後2時34分開議 ○議長(宮本衡司 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  埋橋茂人議員。       〔24番埋橋茂人君登壇〕 ◆24番(埋橋茂人 君)改革・創造みらいの埋橋茂人です。私は、今日は4点質問を申し上げます。  最初に、新型コロナウイルス感染症であります。医療と介護に分けて福田健康福祉部長に質問いたします。最初に医療関係について伺います。ある公的医療機関から私が聞き取った状況を申し上げ、それを踏まえて質問いたします。  今般の新型コロナウイルスの対応において、長野県下では、公的医療機関も公立医療機関と同様の対応を求められており、各地域において重要な役割を担っています。急速に感染者数が拡大する中、実務的には、県、保健所との調整により、PCR検査対応、発熱外来、入院患者対応、ワクチン接種等、要請に基づき対応していますが、通常診療を行う要員体制の下で新型コロナへの対応を行わなければならず、通常診療に影響を及ぼすとともに、現場の医療従事者は疲弊しています。  また、感染は医療従事者にも拡大が見られ、職場で感染者が発生した場合には残されたスタッフで対応せざるを得なくなり、より疲弊が深まる状況となっています。要員確保も困難な中、職員には一定の手当を行い、モチベーションを維持しながら診療を継続していますが、稼働病床等に制限がある中、手当支給のための収入確保もままならない状況がコロナ感染の拡大の波とともに繰り返されています。  そこで、質問いたします。  一つ目、現在、ワクチン接種の迅速化、早期接種の対象業種や範囲の拡大が図られています。先日、年代別のワクチン接種率が公表されました。多くの議員の質問で明らかになりましたので、答弁が重複している場合は結構でありますけれども、その改善策について、職域接種、県の集団接種を含めて伺いたいと思います。  また、ワクチンを接種するに当たり、県の集団接種会場で接種した方、市町村で接種した方、職域接種で接種した方等がいらっしゃると思います。接種済みの方のデータ管理にはワクチン接種記録システム、VRSというシステムが使用されているということですが、データがどのように管理され、共有されているのか、伺います。  二つ目、デルタ株の拡大により、12歳以下の罹患が増えています。学童等の感染は家庭にも当然影響を及ぼすことから、保育施設職員、学校教職員への速やかなワクチン接種は重要と思いますが、現状はどうなっているか、伺います。  三つ目、派遣元ではなく、行政が管理して、医療従事者が不足する医療圏や医療機関へ臨時的な医療従事者を派遣する仕組みが必要と思いますが、いかがですか。  四つ目、保健所の判断で病床確保・調整が必要な場合、一般患者の入院が増える冬季を控え、医療現場で即座に対応できない場面が想定されます。柔軟な対応策が必要と思いますが、現状と対策はどうなっていますか。  五つ目です。医療機関の安定運営や医療従事者、職員の確保、過重労働を軽減するためにも、財政支援の継続、拡大と、交付時期と来年度の交付見込額の早期提示が重要と考えますが、見解をお伺いします。  続いて、介護関係について伺います。県内六つの拠点で介護施設を運営する法人から私が聞き取った内容を申し上げます。  介護従事者、特に居宅系サービスに対する対応の遅れが介護現場に大きな負荷を与えています。医療従事者等と比較し、国の扱いは優先順位が低く、ワクチン接種等が遅くなりました。長野県は、高齢者世帯や独居高齢者が増加しており、家族は都内等から緊急事態宣言下でも別居家族が心配でしばしば自宅を訪問し、やむを得ないこととはいえ、感染リスクの上昇は避けられません。  訪問・通所介護は、そのような環境下でサービスを実施しています。そして、訪問・通所介護が継続されないと生活が成り立たない高齢者が多く存在します。高齢者介護において、居宅サービス、特に訪問介護は命綱と言われています。入所施設に付設された居宅系サービス事業の従事者、独立した建物での居宅系サービス従事者、要介護者にも高齢者が多くを占め、感染リスクは高くなります。  そこで、質問いたします。  一つ、PCR検査実施の遅延が課題です。介護従事者が濃厚接触者となる場合や、または家族が濃厚接触者となり、職員の感染を疑い、出勤を止めるケースが増加しています。保健所が陽性者の濃厚接触者や接触者を特定し、PCR検査が行われますが、ケースによっては濃厚接触者や接触者の特定に時間がかかることがあり、交代要員の確保に支障が出ている場合があります。感染拡大を防止するためにも、濃厚接触者や接触者はできるだけ早期に特定すべきと考えますが、現状と具体策を伺います。  また、介護職員不足の中、交代職員の確保が困難な状況です。現状と対応策はいかがですか。  二つ目です。感染予防の知識の共有も課題です。  提携病院と距離的にも近く、連携が取れている介護施設は、病院の医師または感染症認定看護師のアドバイス等を受け、感染予防対策を行っています。  一方で、関係性がない介護施設では、自前での教育であり、専門性の観点で不安があります。現行の認定看護師の派遣では、他施設への波及効果は限定的だと思われます。派遣がない施設を含め、介護事業者への感染予防対策の教育の機会をさらに充実させるべきと考えますが、いかがですか。  次に、休業補償について伺います。  新型コロナ発生時から、感染拡大防止の観点からデイサービスの営業休止、特別養護老人ホーム及び短期入所受入れ一時停止等を行っている事業者がいます。経営的にも厳しい状況であり、今後のさらなる高齢化社会を踏まえれば、休業した場合には補償を行い、組織、機能が継続できる仕組みが必要だと思いますが、いかがですか。       〔健康福祉部長福田雄一君登壇〕 ◎健康福祉部長(福田雄一 君)私には、新型コロナウイルス感染症対策について質問を頂戴しております。順次お答えを申し上げます。  まず、職域接種、県の集団接種を含めた課題及びその改善策という御質問でございます。  これまでワクチン接種を進めてきた中で、職域接種や県の集団接種におきましては、接種希望者数の見込みが難しく、予約枠に空きが生じるケースがございますこと、また、職域接種においては、やはり医療従事者の確保が困難である企業等が一部ございます。また、職域接種では、体調不良などやむを得ない理由によりまして2回目の接種が受けられず、その後、接種の機会が失われている方が生じていることなどが挙げられるところでございます。  予約枠に空きが生じるケースへの対応につきましては、接種対象者の拡大、さらには土日・夜間接種の実施、若年層への広報啓発などを行ってきているところでございます。また、医療従事者の確保については、ワクチン接種支援チームの紹介を行いまして、職域接種を行う企業等の支援をしてまいりました。また、2回目の接種が受けられなかった方に対しては、県の集団接種で受入れを行うなど、確実に接種ができるよう調整を行っているところでございます。  それから、保育施設や学校教職員への速やかな接種の現状についてというお尋ねをいただきました。  市町村と県との早期接種に係る役割分担につきましては、知事と市長会、町村会との意見交換会の場で、市町村は保育施設職員や小中学校の教職員を、県は特別支援学校や高等学校の教職員を対象職種として取り組むことで合意をいただいているところでございます。  市町村においては、この合意を基に接種計画を定めていただき、多くの市町村で保育施設職員や小中学校教職員の早期接種を進めてきていただいたところでございます。  9月末現在の2回目接種率は県民全体で64%を超えておりまして、県民の皆様への接種も進んでいるという状況でございまして、学童等の感染を防ぐ観点からも、引き続きその促進に取り組んでまいりたいと考えております。  それから、医療従事者派遣の仕組みが必要ではないかというお尋ねもいただきました。  県として現在行っている支援を申し上げますと、医療機関等においてクラスターが発生し、県に看護職員の派遣要請があった際に、県と長野県看護協会の派遣協定に基づいて調整を行い、当該医療機関等に対する看護職員を派遣する事業がございます。また、医師を含む医療従事者を不足する医療機関へ派遣した場合の旅費や宿泊費、あるいは臨時に雇用した医療従事者の賃金等についても支援を行っているところでございます。  以上のとおり、看護職員につきましては、看護協会の御協力により、御指摘に近い仕組みができていると思っておりますけれども、医師については、やはり絶対数が不足していて難しい部分もございます。いずれにいたしましても、医療機関のニーズにできるだけ応えられるよう、今後ともしっかりと支援を行ってまいりたいと考えております。  それから、病床確保・調整の柔軟な対応策についてという御質問でございます。  新型コロナウイルス感染症患者のための確保病床は529床ございますけれども、御指摘のとおり、冬季には一般患者の入院が増える傾向がございまして、新型コロナウイルス感染症患者の受入れに影響することも想定されるところでございます。県では、こうした事態に対応するために、感染状況をモニタリングしながら、早め早めに準備していただく病床数を病院に打診することとしております。  また、確保病床とは別に、感染急拡大時に緊急的に患者を受け入れる病床として79床確保するなど、1,500人程度の療養者に対応できる体制を整えたほか、今後、さらなる大きな波の到来など、最悪の事態も想定した医療体制を検討してまいります。  それから、医療機関への財政支援の継続、拡充についての御質問でございます。  医療機関向けの財政支援といたしましては、これまでに病床確保料や機器設備、特殊勤務手当等の補助金など、多岐にわたり行っているところでございます。とりわけ、額の大きい病床確保料につきましては、今定例会におきましてさらに120億円余の補正予算案をお願いしておりまして、医療機関のための財政支援を手厚くしたいと考えているところでございます。  この病床確保料の交付につきましては、コロナの感染状況を見込むことが難しいことから、実績に基づき四半期に分けて支給することとしておりますが、各医療機関からの交付申請が提出され次第、内容を確認の上、速やかに支払うよう努めてまいります。  また、今後の事業の見通しにつきましては、国の予算の状況を注視いたしまして、可能な限り早期にお知らせをしてまいりたいと考えております。  次に、介護現場での対策についてのお尋ねでございます。  まず、濃厚接触者や接触者の早期特定が必要ではないかという御質問でございますけれども、御指摘のとおり、可能な限り濃厚接触者や接触者を特定することは、やはり感染拡大防止のためにも重要なことだと考えております。ただ、感染拡大防止のために、当然のことながら、積極的疫学調査を丁寧かつ徹底的に行うということも必要でございまして、とりわけ、多数の接触者が確認された場合には、丁寧な調査を行っているために、濃厚接触者等の特定に若干の時間を要してしまうことも実際問題としてはございます。県といたしましては、議員が御指摘のような必要性ということを十分認識した上で、介護施設の皆様の御協力も得ながら、可能な限り早期に濃厚接触者や接触者等を特定するよう努めてまいりたいと考えております。  それから、交代職員の確保に係る現状と対応策についてでございます。  感染発生による職員不足に対して、同じ法人で幾つかの施設をお持ちの場合、法人内で職員を派遣し、対応しているケースも非常に多くありますけれども、県では、他の法人からの応援派遣体制を整備しておりまして、これまでに、感染発生した1施設に対し、3法人5施設から応援派遣を実施いたしました。現在、介護施設におけるクラスター発生は抑えられている状況でございますけれども、今後も対応が必要になった場合には応援職員を派遣してしっかりと支援をしてまいります。  それから、次に、介護事業者への感染予防対策の教育の充実についての御質問でございます。  介護施設におきましては、利用者等の健康管理の徹底、それから防護具の正しい着脱方法、適切なゾーニングなど、必要な知識を持っていただくことが重要でございます。県では、昨年5月から、長野県看護協会と連携いたしまして、介護施設からの電話相談や、直接訪問して実地指導する形で感染予防対策を図っております。  御指摘をいただきましたとおり、こうした訪問指導の対象とならなかった事業所も含めて、全ての介護事業所の予防対策を充実する必要がございます。このため、昨年度、保健福祉事務所単位で感染予防対策の研修を開催しております。このほか、施設における感染防止対策から感染事例発生による対応などをまとめた資料を作成いたしまして、全施設に周知しております。  今後も、感染防止に関する新たな知見が明らかになってくることもあろうかと思いますので、全ての介護事業所において共有できるよう、必要な教育の機会の提供に努めてまいります。  それから、休業補償についてのお尋ねがございました。休業補償という形ではございませんけれども、これまで、県では、事業所のサービス継続を図る観点から、新型コロナウイルス感染症の発生に対応したかかり増し経費として、43事業所に対し1事業所当たり平均45万円ほどの財政支援をしているほか、先ほど申し上げましたような応援職員の派遣に必要な支援も行ってまいりました。さらに、高齢者の利用控えによる事業所の収入減少につきましては、国で制度を創設するよう県独自に要望しておりまして、今後も高齢者施設の状況を踏まえながら適切な対応を取ってまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔24番埋橋茂人君登壇〕 ◆24番(埋橋茂人 君)昨日もある医療機関の皆さんと懇談の機会を設けましたが、10月1日から今まで支給されていた一律加算がなくなるということで、大変な状況だということでございます。一律加算というのは、0.01%とか1人50円というようなことで実施されていたわけでありますが、それがなくなると、この医療機関では、これから年度末までに向けて、その減収要因で1億円近くになるだろうという見込みであります。しかも、それに代えて支給されるものが10万円とか数万円とかいう単位で、とても見合うものではありません。ぜひ脆弱な地域の医療体制の底が抜けないように知事会でも強く要望いただくことをお願いして、次の質問に移ります。  続いて、自転車の盗難防止対策等について安田警察本部長に伺います。  一つ、自転車の盗難件数や持ち主に返還された件数、割合はどのようになっていますか。直近3か年の記録を伺います。  二つ、自転車防犯登録の登録実態について、同様に直近3か年の記録を伺います。  三つ目です。現状の自転車防犯登録においては、購入者が自転車販売店において3枚複写式の自転車登録カードを記入し、1枚目は購入者が保管、2枚目は販売店が保管、3枚目は自転車防犯登録を管理する長野県防犯協会連合会に郵送するはがき様式となっています。はがきを受領した当協会がデータの登録作業を行っていると聞いています。データの登録に最長数か月を要することから、データ登録前の放置自転車を照会しても持ち主が判明せず、その自転車が盗品であるかどうかの確認ができない状況が発生しているとの声を聞いています。データの登録に多くの時間を要する現状を改善するため、DXの観点から業務を見直すなどして、より迅速な登録を目指すべきと考えますが、いかがでしょうか。  四つ目、自転車の盗難被害をなくすためには、防犯登録の運用だけでなく、被害に遭わないための防犯意識を広く県民に働きかけていくことも重要であると考えます。自転車盗難事件をなくすために警察が行っている取組について伺います。       〔警察本部長安田浩己君登壇〕 ◎警察本部長(安田浩己 君)私には、自転車の盗難防止対策等について4点御質問をいただきました。  まず初めに、自転車盗の認知件数と返還された件数について直近3年分についてお答えいたします。  自転車盗の認知件数については、平成30年は1,496件、令和元年は1,164件、令和2年は823件であります。平成30年から令和2年までの3年間の自転車盗の総認知件数は3,483件であり、そのうち、手集計ではありますが、返還された自転車の総件数は、本年8月末までに1,786件、返還された率は51.3%であります。  次に、自転車防犯登録の登録実態についてお答えいたします。  自転車の防犯登録は、自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律第12条第3項において、「自転車を利用する者は、その利用する自転車について、国家公安委員会規則で定めるところにより都道府県公安委員会が指定する者の行う防犯登録を受けなければならない。」と規定されております。当県における自転車防犯登録業務は、長野県公安委員会の指定を受けた公益社団法人長野県防犯協会連合会が運営主体となって行っており、過去3年の自転車防犯登録の登録状況につきましては、平成30年と令和元年がともに約6万6,000件、令和2年が約6万8,000件となっております。
     次に、自転車防犯登録の迅速な登録についてお答えいたします。  自転車の盗難を防止し、盗難に遭ったり、紛失した自転車の被害を早期に回復するためには、自転車防犯登録の迅速な登録が必要でありますが、議員御指摘のとおり、現在、利用者の防犯登録の申出からデータ登録までに数か月を要しているのが実態であります。  こうした状況を踏まえ、警察としては、自転車防犯登録業務の運営主体である公益社団法人長野県防犯協会連合会に対して、登録が遅滞することのないよう指導を行っているところでありますが、議員御指摘のDXの観点からの業務の見直しについても、迅速な登録を行うための一つの有効な方法であると考えられますので、その導入の可否について関係機関と検討してまいりたいと考えております。  最後に、自転車の盗難被害防止対策についてお答えいたします。  自転車の盗難被害については、令和2年の統計では、約5割が駅や商業施設の駐輪場で発生しており、また、被害の7割以上が無施錠で、被害者の4割以上が中学生や高校生であります。こうした状況を踏まえ、警察では、防犯ボランティアと協働して、中高生が多く利用する駅の駐輪場等において防犯パトロールを行い、利用者に対して鍵を二つつける二重ロックを呼びかけるとともに、無施錠の自転車に対しては、駐輪場の管理者了承の下で、警察でダイヤル式のチェーン錠を取りつけるなどの防犯活動を行っているところであります。  また、警察署ごとに地元の中学校や高校を自転車盗難防止モデル校に指定するなど、個別に学校を訪問して、生徒と共に確実な施錠を呼びかけるなどの啓発活動を行っております。  引き続き、関係機関と連携の上、自転車の盗難被害防止に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔24番埋橋茂人君登壇〕 ◆24番(埋橋茂人 君)御答弁をいただきましたけれども、現状では、防犯登録は自転車の車体番号と防犯シールの通し番号で管理されていますが、バーコードやQRコード等読み取り機と併せて導入することで、より迅速でより確実な認証が行えると考えますので、こうした技術の導入の検討を強く要望いたします。  また、防犯登録のシールデザインが旧態依然で、新しい自転車、特にデザイナーズサイクルのようなものに貼るのは抵抗があり、登録しない方や見えにくい場所に貼る方もいるというふうに伺っております。自転車条例で健康増進や観光促進を図る意味でも、デザインの変更について要望いたします。  私、この質問を作っていて、イタリア映画の「自転車泥棒」をずっと頭に置きながら書いていたわけであります。御存じの方も多いと思いますけれども、質に入れておいた自転車を、妻がシーツを入れて質から出して、その自転車で広告の仕事をしたわけですが、それが盗まれてしまいました。そして、今度は人の自転車を盗んだのですが、捕まってしまい、息子の機転で涙で解放されるわけであります。夕日の中を父親と手をつないで去っていくという映画、御覧になった方もいると思いますし、ポスターも大変印象的なものでした。  しかし、現在の日本では、放置自転車の実態は、自転車泥棒の時代とは大きな隔たりがあります。犯罪防止の観点からいえば、全ての自転車を守らなければならないということになりましょうが、先ほどの御答弁であったように、行政が大きなコストをかけて守るべき財産かというと、非常に疑問があるところであります。防犯登録したものを基本的に守るということにでもしなければ、膨大なコストがかかります。どこに線を引くかは議論のあるところですが、警察の資源は有限でありますから、別のものに振り向けるべきこともあろうかと思っております。まずは登録の迅速化を求めたいと思います。  続いて三つ目です。今のものと関連しますが、DX戦略の現状と加速化について質問いたします。  まず、伊藤企画振興部長に伺います。  自転車の防犯登録、管理、また、新型コロナに係る各給付金等の給付の遅れやワクチン接種データの共有にも相当な日数を要していることが答弁でも明らかになりました。DX化とはほど遠い内容になっています。行政事務が従来紙ベースで行われていることから、他部門においても大同小異であると思われます。DX戦略のうち、特に県民の行政手続のオンライン化の取組については、部門ごとに課題を洗い出し、計画的に進めていく必要があると思いますが、現状はどの程度進んでいますか。  また、事業点検を行う際には、行政手続のオンライン化の視点も含めて改善の検討を行うべきだと思いますが、いかがですか。  行政手続のオンライン化だけでなく、DX戦略全体を進めるに当たって欠かせないICTの知見等を有する職員の確保や養成はどのような状況ですか。現状と今後の方針を伺います。  最後に、阿部知事に伺います。  今回のコロナ禍において、各種の行政手続や給付規模について、遅い、小さい、面倒くさいとの声が強く上がっています。このうち、小さいは時の政治判断によるものですが、遅い、面倒くさいは、事務のデジタル化、IT化で抜本的に改善が可能なものです。人材確保等の課題を克服して早急に取組を進めるよう求めますが、知事が今後県政を進めていく上での重要な柱の一つとしているDX戦略の推進の決意と、想定している効果、また、その推進方法を伺います。       〔企画振興部長伊藤一紀君登壇〕 ◎企画振興部長(伊藤一紀 君)DX戦略についてのお尋ねに順次お答えいたします。  まず、行政手続のオンライン化の取組状況ということですけれども、昨年12月にガイドラインを定めまして、オンライン化のニーズが高い手続から優先順位をつけて順次オンライン化するということを基本方針といたしました。これに基づきまして、情報システムを一体的に運用しております知事部局、企業局、教育委員会等において鋭意取組を進めているところであります。  許認可申請や届出等の県民の皆様向けの手続は2,174件ございます。オンライン化を進めていく上で、まず、様式等の押印の廃止が必要になります。本年4月現在の状況は、廃止したもの、それから廃止を予定しているものを含めまして計2,144件、全体の約99%が廃止ということになっておりまして、順調に取組は進んでおります。その上で、手続のオンライン化が完了したもの、それから予定しているものが968件ということで、全体の約45%といった状況です。  現在、それぞれの手続を所管する部局が円滑にオンライン化に取り組めますよう、例えば電子申請システムによります具体的な申請様式の設定を一緒に行うなど、企画振興部DX推進課による伴走型支援を行っております。  今後は、これに加えまして、オンライン化の障壁となっています要因、例えば添付書類や事務の流れなどを抜本的に見直していこうということで、各部局と一緒に検討を行うなど、取組を強化してまいります。  次に、事業点検を行う際に、手続のオンライン化の視点も含めて改善を検討したらどうかという御提案ですけれども、今回の事業点検結果を見ますと、昨年度は、コロナ禍によりまして、イベントや研修会、相談業務など、予算策定時には予定していなかったオンラインで実施した事業が多数ありまして、これによりまして、参加者の増加や事業効果を高めることにつながった事例が見られました。こうした取組は、コロナの有無にかかわらず、今後も続けていく必要があると考えております。  県民の皆様の利便性や業務の効率性を高め、行政サービスの質を向上させていくために、その手続のみならず、政策の立案、推進全般にDXを共通の視点として強力に取り組んでいくこととしております。このため、PDCAサイクルの全てにその視点を組み込んでいかなければならないというふうに考えておりますので、御提案いただきました県の事業点検制度での扱いにつきましては、今後の参考とさせていただきたいというふうに考えております。  次に、DX戦略を進めていく上での職員の確保養成についてというお尋ねです。  県職員の中には、民間企業等におきましてICT業務に従事した経験者がおりますことから、組織内公募も活用して配置をしておりますほか、外部人材を任期付職員として採用するなどデジタル人材の確保を進めているところであります。  さらに、職員向けの情報システム研修や情報処理技術者試験等の資格取得に対する支援金の支給、それから、国や先進企業に職員を派遣するなど、ICTに素養のある職員の育成も行ってきております。  この7月には、長野県職員の採用に「デジタル」区分を創設いたしました。長期的にDXを担う若手、それから即戦力としての社会人経験者の募集を開始したところであります。この募集に当たりましては、将来活躍するイメージを持てますよう、他県に先駆けて明確なキャリアパスモデルを示したところであります。募集は若干名というところでしたけれども、これに対しまして36人の応募がございました。現在、その選考を進めているところであります。  引き続き、国や先進自治体の事例も参考にしながら、さらなる人材確保、また中核的な人材の育成を総務部と連携して進めてまいりたいと考えております。  以上です。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には、DX戦略推進への決意と想定する効果、そしてその推進方法という御質問をいただきました。  本県は、昨年7月に国の動きに先駆けて長野県DX戦略を策定いたしました。この戦略に基づきまして、スピード感を持って、多くの県民の皆様方にデジタル化のメリットを実感していただけるように取り組んでいきたいというふうに考えております。  効果としては、やはりこれは様々な分野にまたがりますので、暮らしの中でより豊かさを実感していただけるようにしていくということが重要だと思います。また、行政分野では利便性の向上、産業分野では生産性のさらなる向上、こうした観点を持ちながら取り組んでいきたいというふうに思っています。  また、ITバレー構想を進めておりますので、このDX戦略の推進と併せて、IT人材、IT産業が集積できるような長野県をぜひ目指していきたいというふうに思います。また、持続可能な社会づくり、あるいは誰一人取り残さない社会、こうしたSDGsの実現にも資するという観点も持ちながら取組を進めていきたいというふうに思っています。進めていく上では、システムの統一化や個人情報の取扱いなど、検討し、クリアしていかなければいけない課題も様々ございますけれども、多くの皆さん、市町村、あるいは民間企業、大学等とも連携しながらこのDX戦略をしっかり進めていきたいと考えております。  以上です。       〔24番埋橋茂人君登壇〕 ◆24番(埋橋茂人 君)ありがとうございました。御答弁をいただきましたけれども、今回のコロナ禍を通じて、このDX戦略の遅れがいかに市民生活に負の影響を与えているかということでございますので、ぜひ知事が先頭に立って強力に進めていただくことをお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(宮本衡司 君)次は望月義寿議員でありますが、同議員の質問事項中、選挙管理委員会の所管に属する事項が通告されておりますので、これに対する答弁のため北島靖生選挙管理委員会委員長の出席を求めましたので、報告いたします。  望月義寿議員。       〔2番望月義寿君登壇〕 ◆2番(望月義寿 君)改革・創造みらい、望月義寿でございます。通告に従い、質問いたします。  最初に、総合計画の推進について質問いたします。  しあわせ信州創造プラン2.0が4年度目となり、先頃、令和2年度の政策評価も示されました。おおむね順調に推移している値もある中で、コロナ禍の影響や相次ぐ災害により目標達成が困難な項目も見受けられます。任期残り1年となった知事として、現時点の進捗状況をどのように捉えておられますか。また、次期計画の策定に向け、今後の県づくりの方向性について御所見を伺います。  過去の例によれば、総合計画の策定には2年近くを要していることから、令和5年度から始まる次期総合計画について早期に策定作業に着手する必要があると考えます。一方で、コロナ禍の収束にはあと2~3年程度はかかるとの予測もある中で、次期総合計画の策定に着手することは、職員に過度な負担を強いることになりかねません。次期総合計画の策定に当たっての考え方について知事に伺います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)しあわせ信州創造プラン2.0の進捗状況をどう捉えているか、そして、次期計画の策定に向け、今後の県政の方向性という御質問であります。  まず、進捗状況についてでありますけれども、八つの重点目標を掲げさせていただいております。就業率や健康寿命といった目標についてはおおむね順調に推移してきているわけでありますが、例えば合計特殊出生率や社会増減は、コロナ禍で国内移動については少しプラスの要因として働いているわけでありますけれども、こうした人口関連の指標はまだまだ厳しい状況が続いています。  また、経済関係については、観光消費額についてはこれまでかなり順調に目標値を上回って推移をしてきたわけでありますけれども、しかしながら、コロナの影響もあり、ここへ来て急ブレーキがかかっているという状況であります。労働生産性や可処分所得といったような指標についても、今後かなり厳しい状況が見込まれるところでありますので、この目標達成に向けては相当気を引き締めて取り組んでいかなければいけないというふうに考えております。  来年度、現行計画の最終年度になるわけでありますので、その総仕上げに向けて現状と課題を整理して、目標達成に向け、全力で取り組んでいきたいと考えております。  今後の県づくりの方向性でございますが、この基本的な目標として、確かな暮らしということを掲げさせていただいておりますけれども、こうした考え方については引き続き維持しながら県政運営をしていく必要があるというふうに思っています。ただ、いろいろな課題の顕在化や社会の変化の加速化ということが起きているわけでありますので、そうしたことにしっかり向き合って対応していくということが必要だというふうに思っています。  脱炭素社会の実現を目指しておりますけれども、環境制約の中で社会経済活動が営まれているということは片方で強く意識をしながらも、社会的な土台としての公正な社会ということもしっかり意識し、そうした中で、繁栄した地域づくりをしっかり目指していくことがこれから重要だというふうに考えております。  それから、今後の次期総合計画の策定に当たっての考え方という御質問であります。  職員に過度な負担をかけないようにという御指摘でありますが、そこはしっかり心がけなければいけないというふうに思います。まだ次の計画づくりをどう進めていくかということを検討し始めた段階でございます。スケジュールや考え方をどうするかということも決まっていない状況でございますけれども、今、コロナ禍、災害が多発している中で、職員に非常に負担がかかっている部分もあると思いますので、そうしたことは、この計画策定にかかわらず、全ての施策の部分においてもしっかり意識して取り組んでいきたいというふうに思います。  来年度、予算編成に当たりましても、そうしたことを意識して取り組むように、先日各部長にも指示させていただいたところでございます。職員に手戻り感を与えないように、そして過度な負担とならないように十分配慮しながら仕事を進めていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔2番望月義寿君登壇〕 ◆2番(望月義寿 君)まだ決まっていないということですので、次期計画については、全く新しいものを策定する場合、相当の作業が想定されますので、例えば、現下の状況を踏まえて、必要な事柄を現行計画に盛り込むことにより策定の省力化を図るなど、そうしたことも考えた上で進めていただければと思います。  次に、避難情報に関するガイドライン改定について伺います。  災害対策基本法が5月に改正されたことを受け、市町村が避難情報の発令基準等を検討、修正等する際の参考とする避難勧告等に関するガイドラインが名称を含めて改定され、避難情報に関するガイドラインとなり、警戒レベル4から避難勧告がなくなり、避難指示に一本化されました。これにより、避難勧告を発令する段階で必ず避難することを要請する避難指示を発令し、早めの避難を呼びかけるという趣旨は理解するのですが、必ず避難することを要請する避難指示を高齢者等避難の次にいきなり発令することは、市町村長が発令をちゅうちょすることが予想されます。ガイドラインの改定についていかに捉えていますか。危機管理部長の御所見を伺います。  8月の豪雨では、避難指示発令前に災害が発生した事例がありました。豪雨のさなかや夜間の避難は危険であり、また、発令したのに災害が起こらなかった空振りを恐れることから避難指示発令をちゅうちょして発令が間に合わない事態を避けるためにも、県内独自の避難勧告の設定や避難所の開設情報を発出することにより早めの避難を住民に注意喚起する体制はつくれないでしょうか。  長野市が作成した令和元年東日本台風災害対応検証報告書を引用しますと、避難を始めた日時では、「10月12日18時台から23時台」が51.5%と多く、千曲川沿川の各地区に避難勧告が発令された18時00分以降に、多くの方が避難を始めている。また、「10月13日0時台から5時台」も25.2%と多く、千曲川沿川の各地区に避難指示(緊急)が発令された23時40分以降、エリアメール・緊急速報メールで切迫した状況を知ってから避難した方が多いことから、避難勧告で立ち退き避難が必要な方が全員避難するよう、より一層の周知が必要である。立ち退き避難の移動手段は、「自分の車」が81.5%で、「近所の人の車」の3.4%とあわせ、非常に多くの方が車で避難していることから、車で避難する場合の注意点を周知するとともに、車での移動が安全な時間帯に早めの避難行動を起こしてもらえるよう、早めの避難情報の発令を行う必要があるとされています。受け取る住民の避難に結びつく避難情報の発令について危機管理部長に御所見を伺います。       〔危機管理部長中村宏平君登壇〕 ◎危機管理部長(中村宏平 君)避難情報に関するガイドラインの改定につきまして御質問をいただきました。  初めに、ガイドラインの改定についてどう捉えているかという御質問でございます。  災害時、住民にとって、避難勧告と避難指示の違いや避難のタイミングが分かりにくいとの課題があったことから、本年5月、災害対策基本法か改正され、避難勧告が廃止となり、避難指示に一本化されました。そして、法改正を受け、内閣府では避難情報に関するガイドラインを改定し、市町村は、ガイドラインを参考に、避難情報の発令基準の見直しを行ったところでございます。  改正ガイドラインでは、具体的な避難情報の発令基準例が示され、特に留意すべき点については注釈が付されるなど詳細に示されていることから、市町村では、ガイドラインと各自の発令基準を適切に運用することにより、適時適切に避難指示等の発令ができるものと考えております。  県といたしましては、今後も適切な避難情報の発令などを目的とした研修会の開催や、市町村が抱える課題に対する助言など、市町村への支援に努めてまいります。  次に、県内独自の避難勧告の設定や避難所の開設情報の発出についてでございます。  今回の災害対策基本法の改正による避難情報の見直しは、避難するタイミングを明確にし、分かりやすくしたこと、また、全国統一の改正であることから、県独自の避難勧告の設定は、改正後の避難指示との違いや住民が避難するタイミングが分かりにくくなり、住民の誤解を招くおそれが生じることが懸念されます。  一方、避難所の開設情報の提供は、早めの避難を住民に促す上でも重要であると認識しており、県としましても、県の防災情報ポータルや県の防災情報ツイッターのほか、10月からは信州防災アプリの運用により、市町村の情報をいち早く提供してまいります。  また、住民の方が避難情報を受けて早めに避難するためには、自らの命は自らが守るとの意識の醸成や市町村長からの避難の呼びかけなどが重要であり、引き続き逃げ遅れゼロに向けて市町村と共に取り組んでまいります。  以上でございます。       〔2番望月義寿君登壇〕 ◆2番(望月義寿 君)改定の趣旨は分かるんですけれども、避難勧告のタイミングで避難指示が発令されることになったわけですので、警戒レベル5は緊急安全確保となり、災害が発生、切迫し、指定緊急避難場所等への立ち退き避難がかえって危険であると考えられる場合に発令されるものであり、しかも、必ずしも発令されるものではないということを考えると、レベル4の避難指示が発令された段階で立ち退き避難を開始することが求められ、レベル4の後いきなりレベル5が来る、あるいは来ないかもしれないという状況です。  避難情報に関するガイドラインにも、警戒レベル5の緊急安全確保は、警戒レベル3の高齢者等避難、警戒レベル4の避難指示に続き行動に関する表現であるため、警戒レベル5で行動すればよいと誤解されるおそれがある。このため、警戒レベル5まで待つことなく警戒レベル4または警戒レベル3で避難する必要があることが十分伝わり、理解が促進されるよう表記を工夫するとあります。  避難勧告に代わるものを出せないということであれば、適時適切な避難指示の発令を行えるように市町村や気象台と連携してお取り組みをお願いするとともに、避難行動に関する考え方について県民への周知を引き続きお願いし、次の質問に移ります。  最後に、コロナ感染者の投票について伺います。  本年6月、特定患者等の郵便等を用いて行う投票方法の特例に関する法律が公布、施行されました。これにより、新型コロナウイルス感染症で宿泊・自宅療養等をしている方が、選挙において特例郵便等投票ができるようになりました。郵送での請求が原則であり、選管から送られてきた投票用紙をさらに返信するため、時間がかかることや、同居人や知人に投函を依頼する必要がある等、手間がかかりますが、憲法上の権利である選挙権が行使できない事態を減らせることは前進だと考えます。  第5波のさなかの8月25日時点の自宅療養者数と療養先調整中の人数の合計は、厚生労働省の「療養状況等及び入院患者受入病床数等に関する調査について」によると、全国で16万7,500人を超えており、全国の選挙管理委員会は万全の体制での取組が求められております。県内市町村選挙管理委員会の体制は整っていますでしょうか。北島選挙管理委員会委員長の御所見を伺います。  また、特例郵便等投票は投票日4日前までの請求が求められることから、感染判明がその後になると郵便投票が不可能になってしまいますが、コロナ陽性者であっても投票の権利が保障されることは重要です。例えば、投票所の動線を分けるなど、陽性者が投票所で安全に投票できる環境を整え、選挙権の行使が可能になるように配慮すべきではないでしょうか。北島選挙管理委員会委員長の御所見を伺います。       〔選挙管理委員会委員長北島靖生君登壇〕 ◎選挙管理委員会委員長(北島靖生 君)最初に、特例郵便等投票に関する市町村体制の整備についての御質問でございます。  本年6月23日、特定患者等の郵便等を用いて行う投票方法の特例に関する法律が施行され、これに伴いまして、総務省からは、市町村選挙管理委員会の体制整備等に係る詳細な留意事項が示されております。これに基づき、市町村選挙管理委員会は、保健所との連絡体制の構築、郵便局との事前調整、物資の準備など万全の体制を整え、既に、7月の宮田村長選挙をはじめ、県内6町村では首長や議員の選挙が行われております。  また、県選挙管理委員会といたしましても、健康福祉部と連携の上、周知用のチラシを作成し、健康観察センターを通じて陽性者への周知を図っているほか、保健所に対しては、対象者の確認に係る市町村選挙管理委員会への情報提供、宿泊療養施設には特例郵便等投票の請求や投票に必要となる物資の常備をそれぞれお願いするなど、市町村選挙管理委員会の体制づくりに協力をしているところであります。来るべき衆議院選挙に向けて、引き続き健康福祉部や市町村選挙管理委員会との連携を密にして、保健所や宿泊療養施設の協力をいただきながら、特例郵便等投票の適正かつ円滑な実施に努めてまいります。  次に、新型コロナウイルス陽性者への投票の環境整備についての御質問でございます。  特例郵便等投票は、新型コロナウイルス陽性者で宿泊・自宅療養している方が、外出自粛要請を受けているため投票所において投票できないことから、その投票機会を確保するために特例法により制度が創設されたものであります。  この制度の創設の際に、総務省からは、感染拡大防止のため、陽性者に対して、感染症法に基づき、投票も含めた外出自粛要請がされているとの見解が示されています。したがいまして、議員御指摘の新型コロナウイルス陽性者用の投票所の環境を整備することについては、陽性者の外出を前提とするものであるために、法制上の整備が必要となります。  投票日直前に感染して特例郵便等投票請求が間に合わない場合も想定されますので、選挙管理委員会といたしましては、混雑緩和による感染防止の観点からも、早めに投票ができるよう、期日前投票の積極的な活用を呼びかけてまいります。  以上であります。       〔2番望月義寿君登壇〕 ◆2番(望月義寿 君)不要不急の外出ではないとはいえ、なかなか陽性者の方が普通に出歩いてしまうというのも問題があります。それは分かるのですけれども、また難しいところで、来月あたり総選挙があります。国の将来を左右する大切な選挙の機会、ぜひその権利を行使できるように万全の体制を取っていただきたいところであります。  ここにおられる皆さんは選挙の一票一票の大切さをよく御存じだと思いますので、そうした観点も考えまして、投票の機会を失わないように、ぜひ期日前投票なども含めて皆さんに周知していただきまして、憲法上の権利である投票の権利が行使できるように御尽力いただきますようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ○議長(宮本衡司 君)お諮りいたします。本日はこの程度で延会にいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(宮本衡司 君)御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決定いたしました。
     次会は、明10月1日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後3時35分延会...